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今年も米大リーグのMVPに輝いた大谷翔平選手は、広告界でも唯一無二の存在だ。ロサンゼルスで広告代理店を経営する岩瀬昌美氏が、マーケターの視点から「オータニ・エフェクト」を取り上げている。
プレジデント・オンラインから、一部を紹介します。
・大谷選手の昨年の広告収入は、推定7000万ドル(約109億円)。ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジ選手(700万ドル)の10倍だ
・22年に達成した「規定打席と規定投球回を同時にクリア」「投手として10勝以上・打者として30本塁打以上」、24年の「50本塁打&50盗塁」はいずれもMLB史上初。その圧倒的な実績が、大谷選手のブランド価値の基盤にある
・だが、大谷選手が広告界で成功した大きな要因は、彼がアメリカで築き上げた「古き良きアメリカの野球少年」というパブリック・イメージにある
・球場にゴミが落ちていれば拾い、不調でもベンチで暴れない。いつも爽やかな笑顔で、勝っても負けても腐らない。こうした振る舞いがアッパー層の「ジェントルマンであれ」という価値観に合致し、「よくできた息子」として、アメリカのお母さん世代から絶大な支持を得ている
・さらに、アメリカが抱える人種問題の中で、大谷選手は「ダイバーシティ・イメージ」のポジティブな側面を持っている
・英語が堪能でない東洋人が、純粋な情熱とひたむきな努力によって成功を収める姿は、多様性を重んじるアメリカ社会において希望の象徴となり得る
・以前、大谷選手が通訳を使っていることを揶揄した野球解説者が、コメントの撤回と謝罪に追い込まれた。これは、移民への偏見を是正しようとするアメリカ社会の動きを反映している
・大谷選手のドジャース移籍後、球場広告の値段が爆上がりしたにもかかわらず、その5割が日系広告になった。エンゼルス時代、目立つバックネット裏に広告を出した「くら寿司」は、超お得な買い物をしたといえる
・ロサンゼルスで家族4人で野球観戦に行けば、チケットだけで約400ドル(5万7000円)。ホットドッグや飲み物、お土産代を含めれば14万円を超える
・「持てる者」と「持たざる者」の格差が広がる中で、それでも大谷選手を見にスタジアムに足を運ぶ人々は、彼に「夢」を見出しているのかも知れない
・水原一平元通訳による違法賭博問題の際、「なぜ多額の資金の動きに気づかなかったのか」「なぜ自分で英語で説明しないのか」という批判が噴出した。アメリカが自己責任の国であり、移民社会であるからこそ、成功者には「アメリカン・ドリームに挑戦した者」の責任と自覚が求められる
・大谷選手が少しずつ英語でメディア対応するようになったことは、アメリカ人から「本当の仲間」と見なされるきっかけになる
・大谷選手が輝き続ける限り、日本もまた世界でその存在感を持ち続けることができるだろう
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| Yarigatake, from NH707 NGO-SPK 2025/11/07 |





















