2026年7月24日

かわいいペットがやってくる、かも

 

わが大学には「院生室」という、大学院生のための休憩室がある。

修士課程の1,2年生合わせて12人で占有できる、なかなか贅沢な空間だ。

でも院生室のドアを開けると、トカゲが床を走り去る。

入り口で靴を脱ぐと、スリッパの中にムカデや蜂が潜んでいるから、要注意。

校舎の三方を畑と裏山に囲まれた、自然豊かな(豊かすぎる)環境だ。

そんなある日の、ランチタイム。

クラスメートの地元女子たちは、お母さんが作ってくれた弁当を広げている。

私は寂しく、コンビニで買ったサンドイッチをかじる。

大学院生にもなってママのキャラ弁かよ!と、心の中で毒づきながら…

すると、隣のテーブルに陣取った修士2年の先輩が、

「私、ミヤサカさんの飼いネコになる! 皿洗いするネコ!」

「ぼくはミヤサカさんの飼いイヌになる! 掃除と洗濯するイヌ!」

と、口々に言い始めた。

私が株で生活していることは、どこかでポロっと言ったかも。

そこに尾ひれ背びれがついて、「ミヤサカさんはお金持ち」ということになってしまったみたい。

みんな、よっぽど就職活動で苦労してるんだなぁ。


そしてついに、運命の日がやってきた。

心理統計法特論、恐怖の100分間プレゼンテーション!

ポアソン回帰、最大対数尤度、階層ベイズモデル、パラメトリックブートストラップ法、ロジットリンク関数、一般化線形混合モデル、マルコフ連鎖モンテカルロ法、無情報事前分布、BUGSコード、Neyman-Pearsonの検定の枠組み…

私には「宇宙語」にしか聞こえない統計用語とパワーポイントを駆使して、みんなの前で発表しなければならないのだ。

私の前週に発表した才媛モエカさんが、「ミヤサカさんのために、優しくかみ砕いて解説してあげたよ」という。

ううう、ありがとう。でも、それでも、1ミリもわからんかった…

絶体絶命。でも、この単位だけは落とせない。

自分の担当分野を文系的理解で徹底的に読み込み、乱数シミュレーションはパソコンの統計ソフトにぶち込んで、本番に臨んだ。

さも理解しているように見せかける、我ながら惚れ惚れする、演技力。

そして、わがクラスメートの、万雷の拍手による援護射撃。

頭の上に大きなはてなマークを乗せたまま、T教授が「ま、いいか」という表情で、合格点をくれた。

その場で、パソコンの上に突っ伏した。

Goa, South India 2026



2026年7月17日

インテーク面接

 

大学併設の「心理臨床センター」で行われたインテーク面接(初回面接)に、初めて陪席した。

初対面の相談者から、限られた時間でできるだけ多くのことを聞き取り、継続面接につなげる大事な面接だ。

ゼミのM先生に

「ぼく、これからインテークの陪席やるんです」

と言うと、

「あなた、面接中に絶対うなずいたらダメよ!」

とくぎを刺された。

私はふだんの会話で、やたらうなずく癖がある。平均、1分間に約10回。

陪席者のうなずきは、相談者にとってもカウンセラーにとっても目障りで、面接の流れを妨害してしまうらしい。

ここは、壁の花に徹しなければ…

20代女性の相談者を相手に約100分間に及んだ面接中、うなずくのを我慢していたら、首がガチガチに。

相談者の言葉を一言一句漏らさず書き取って、後で逐語録を作るという大役を仰せつかっているのに、「うなずき厳禁」に気がとられて、つい手が止まってしまう。

あぁ、早く一人前のカウンセラーになって、思う存分うなずきたい!

(写真は「南インド・カレーの旅」第3弾です)





       


2026年7月11日

南インド・カレーの旅 vol.2

  

4月から暮らすこの町でも、週2ペースでカレーを食べ続けている。

近所のカレー屋2軒とは、すっかり顔なじみだ。

いつも絶妙のタイミングで、食後のコーヒーを淹れてくれる。

高校時代は3年間、来る日も来る日も200円の学食カレーを食べ続けた。

ホテルの欧風カレー、インド料理屋のカレー、蕎麦屋のカレー、うどん屋のカレー、みんな大好き!

でも…

インドで食べるカレーは、やっぱり格の違いを感じる。

スパイスが多彩で新鮮だから?

カレー作りひと筋ン十年の職人芸?

手指で器用に食べる周りの客、渦巻く巻き舌のインド式英語…

視覚的、聴覚的スパイスが効いているから?

うまく表現できないのが、もどかしい。









2026年7月3日

南インド・カレーの旅

 

インド、遥かなり…

この春、南インドを2週間旅して、朝から晩までカレーを食いまくった。

その味わいの奥深さは、ああ、とても私の筆力では表現できない。

本場インドのカレーがどんなものか、写真からご想像ください。

あれから、はや4カ月…








2026年6月26日

大学教授、だまされる

 

大学院のゼミでご指導頂くM先生が、オンライン詐欺に遭った。

被害額、約90万円…

生真面目タイプが多い精神分析派と違い、PCA(パーソンセンタード・アプローチ)派のM先生は、とてもサバサバした性格だ。

90万円取られても、ケロッとしている。

そして「転んでもタダじゃ起きないよ! 私を騙した詐欺師の手口をみんなに広めて!」と息巻いている。

先生のご希望通り、事件のいきさつを紹介します。

   M先生のニュージーランド(以下NZ)の友人が、WhatsApp(海外でよく使われるLINEみたいなアプリ)経由で、「日本製のサプリメント(コラーゲン)を買って送って欲しい」と、M先生に依頼

※先生はイギリスで博士号を取っていて、英語圏に友人が多い

② さらにその友人は「家族の誕生日に間に合わせたい。NZからの送金では間に合わないから、代金15万円は建て替えて欲しい」と

   この時点で先生は詐欺を疑い、念のためその友人の夫からもWhatsAppでメッセージが欲しい、と依頼

   夫名義のメッセージを受け取った先生は、友人を信用して、15万円を指定された口座に送金

   すると今度は「そのサプリを90万円購入すると、20万円分のおまけがつく。だから追加で75万円分買って欲しい」と。

   先生は「そんな大金は建て替えられない。まず、NZからお金を送って欲しい」と返信

※この段階でいきさつを聞いた私は「90万もするコラーゲンなんてあり得ない。ぼくがマツキヨで買ったコラーゲンは千円でしたよ」と言ったのだが…

⑦ ほどなく「先生の口座に送金した」と、スクリーンショット付きのメッセージが来る

   さらに、みずほ銀行からも「NZから先生の口座に送金があった。3~5日で入金する」とのショートメッセージが

   その「証拠」を信じた先生は、追加の75万円(合計90万円)を送金する

   ところが10日待っても、NZからのお金が先生の口座に入金されない。不審に思った先生が、口座があるみず〇銀行に照会すると、「海外からの送金の事実はない。ショートメッセージも送っていない」との返事

   ここで初めて先生は、自分のWhatsAppのアカウントが乗っ取られていたことに気づく

   犯人は先生のアカウントを乗っ取り、登録されていたNZの友人になりすまして詐欺を働いたのだ

⑫ 友人に頼まれて気軽に90万円を建て替えるM先生は、よっぽどお金持ちに違いない


Hongkong, 2026 ※写真と本文は関係ありません



2026年6月19日

マスクの物語思考

 

「私が見てきた限り、心理専門職を目指す大学院生の半分は、セラピストというよりクライエントよ」

週1回のゼミで放たれた、指導教官M先生の爆弾発言。

言われてみれば、クラスメートには心に古傷を負っていそうな、過去を聞くのがはばかれるような人もいる。

そういう人だからこそ、心理職を目指す、ということなのだろうか。

自分はいったい、どっちなんだろ…

 

スペースXを上場させ、史上初の「兆万長者」になったイーロン・マスク氏。

自ら、ADHD(注意欠如・多動症)であることを告白している。

日経ビジネス電子版「いじめも発達障害も隠さない イーロン・マスクの『物語思考』」から、一部を紹介します。

・多くの天才的なイノベーターは、イノベーションを起こすうえで物語(ナラティブ)が重要であることを強く認識している。それは「物語思考(Narrative Thinking)」とも言い換えられる

・物語思考とは、物事を単なる情報の集まりとしてではなく、「ナラティブ」という物語的な構造で理解しようとする思考法。米心理学者のジェローム・ブルーナーによって提唱された概念で、論理・科学的な思考とは対照的な、人間特有の認識スタイル

・「人間は論理だけではなく、むしろ物語によって世界を理解している」と、ブルーナーは主張した。人間は客観的な現実をそのまま受け取るのではなく、物語という「フィルター」を通して、経験に意味を与える

・例えば、失恋という事実は一つでも、「裏切られた」と語るか「成長の糧になった」と語るかで、本人の意味づけは全く異なるものになる

・個人資産1兆ドル超の実業家、イーロン・マスク。2023年にウォルター・アイザックソンが書いた伝記『イーロン・マスク』が注目を浴びた。その10年ほど前にも、アシュリー・バンスが別の伝記を書いている

・マスクの少年時代の壮絶ないじめ体験、貧しい中での最初の起業、宇宙ロケットの打ち上げを何度失敗してもあきらめない姿勢、環境破壊や戦争などによって地球が滅びる前に、人類を複数の惑星に住める種族にすることに挑戦する、といったストーリーは、ドラマチックで引き込まれる

・「人間はほかの人間に共感する生き物だ」といったのは、18世紀の経済学者・道徳哲学者のアダム・スミス

・人間には他人の喜びや苦しみを自分のことのように感じる能力があり、それは単なる同情ではなく、他者の立場を想像する力であるとスミスは考えていた。他人の共感を得る一番の近道は、自分自身の物語を知ってもらうこと

・破天荒で問題発言が多くても、マスクがどのような人生を歩んできたのか、どのような苦労をしているのか、何を目指しているのかを知ると、共感する人間が増えるのは当然

・マスクのようなイノベーターに限らず、自分が伝えたいメッセージを多くの人に記憶してもらいたいなら、物語=ナラティブを語るスキルを磨くことは極めて重要

「変なホテル 東京・銀座」2026



2026年6月12日

私はカモシカ

 

・もし、自分を動物に例えるとしたら?

A子「リス」 B子「カモシカ」 C子「飛べない鳥」 D子「ウサギ」 E子「フクロウ」

・あなたが人生の最後に食べたいのは?

A子「オムライス」 B子「あん肝」 C子「寿司」 D子「オムライス」 E子「ウナギ」

・地球滅亡の日、3人だけロケットで脱出できるとしたら、誰を乗せる?

A子「私以外の乗りたい人」 B子「私は辞退する」 C子「私、母、弟」 D子「科学者、医師、心理士」 E子「私と、年下で女性の友人」

・自分の母親を、漢字一文字で表すとしたら?

A子「明」 B子「自」 C子「保」 D子「緩」 E子「情」

・自分を1から9までの数字で表してください

A子「7」 B子「7」 C子「4」 D子「2」 E子「9」


クラスメート5人が、5つの質問の答えを無記名で書いた。

最後に、どの回答を誰が書いたかを、皆で当てっこ。

イエーイ! 全員を正確に当てられたのは、私だけ。

4月の入学式で知り合ってから、2か月半で5人のパーソナリティをかなり正しく把握した。我ながら、鋭い観察眼。

自分、心理職に向いてるかも!

ちなみにこれ、ある日の大学院「臨床心理基礎実習」です。

発表と課題地獄の中、たまにこうして息抜きさせてくれるのは嬉しい。

 

これまでに複数の先生から、

「心理系の大学院では、朝から晩まで100%心理学ばかりやるから、いやになるほど自分や他人の心について考える。すると、クラスメートの間に不思議な力動が働いて、妙な対立関係になったりする。会社の同僚同士みたいな関係とは、ぜんぜん違うよ」

と、いうようなことを言われた。

今のところ、クラスメート同士の仲はとてもいいが…

実際にクライエントを持つようになると、我々のメンタルが悪化する、という話も聞く。

 ちなみに、わがクラスメート(2223歳女子)は

「もしクライエントを選べるなら、権威主義的な中高年男性だけはイヤ!」

と、異口同音にいう。

ああ、自分の属性はそんなに嫌われてるのか…

ため息。

Chennai, South India 2026




かわいいペットがやってくる、かも

  わが大学には「院生室」という、大学院生のための休憩室がある。 修士課程の1,2年生合わせて 12 人で占有できる、なかなか贅沢な空間だ。 でも院生室のドアを開けると、トカゲが床を走り去る。 入り口で靴を脱ぐと、スリッパの中にムカデや蜂が潜んでいるから、要注意。 ...