「自尊感情」と「自己肯定感」。
この2つの言葉の違いが、よくわからない。
名古屋の予備校で臨床心理学の講義を受けた後、講師のミヤガワ先生に質問に行った。丁寧に説明して頂いたのだが、それでもわからなかった。
「コフートは自己愛の概念を整理して、自己愛心理学を確立しています」
「自己効力感なんていう言葉もありますよ」
…聞けば聞くほど、わからない。
心理学は「こころ」という目に見えない対象を扱う。
すっきりした正解は、最初から期待しない方がいいのかも。
『知性の罠 なぜインテリが愚行を犯すのか』 デビッド・ロブソン著 日経ビジネス人文庫
本書によれば、知性を高めるためには「わからない」と思う状態が必要なのだという。
(日経ビジネス電子版に掲載された抜粋を、さらに抜粋しておきます)
・ピアノ、新たな言語、あるいは新たな仕事など、新たなスキルを身につけようとしている時に、あなたが「日々たくさん学ぶほど、最終的な学習量も多くなる」「理解しやすい内容ほどたくさん覚えられる」「忘れることは非生産的である」と考えたとしたら、それらはすべて誤解
・最新の神経科学では、わからないと思っている時こそ学習効果が最大に高まることが明らかになっている
・学校の教科書で、見栄えのする図や箇条書きなどわかりやすい形で提示することは、かえって長期記憶を妨げる。専門的表現や微妙な言い回しを多用し、潜在的問題や矛盾する証拠を示す複雑な資料を読ませた方が学習成果があがる
・わからないということは否定的にとらえられがちだが、実際にはそれは何かを学び、深く理解するチャンスなのだ
・また、1日の成果を意識的に抑えるほど、翌日の成果が高まる
・イギリス郵便公社の職員1万人がタイピングとキーボードの使い方を練習したところ、1日1時間練習したグループで一番上達の遅い職員が、1日4時間練習したグループで一番上達の速い職員より短い時間で技能を習得した
・学習を小さな塊に分割することで、学んだことを忘れてしまう時間ができる。次に学習を開始したとき、何をすべきか頑張って思い出さなければならなくなる。この一度忘れ、再び覚え直すというプロセスが記憶痕跡を強め、長期的にはより多くを覚えていられるようになる
・この一旦忘れて学習し直すというプロセスはつらいからこそ、長期記憶が促されるのだ
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Cebu Philippines, March 2025 |
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