「結局、人生最後に残る趣味は何か」 林望 草思社
(こんな本を手に取るようになった自分に、驚く)
果たして、御年75歳になったリンボウ先生がたどり着いた境地とは?
ほんの一部だけ紹介します。
・普段から仕事一辺倒で、人間としての「余白」がまったくない人は、周囲からつまらなそうに見えてしまう
・つまらなそうに見える人は、周囲の人との関りが乏しくなり、ますます退屈な人生を送るという負のスパイラルに陥る
・名誉ある孤立を保つ人は「秘密のポケット」を心に持っている。その中には、その人にとって大事な宝物が入っている。この宝物こそが趣味というもの
・趣味を持つことの意味は、人間関係を豊かにすることでもあり、自分の人生を楽しみ多いものにすること
・でも最初から「趣味で友だちを作ろう」とは考えない方がいい。そこで良友を得るかどうかは「結果論」でしかない
・趣味を始めようとする人の中には、友だちを増やしたいとか社交の機会を増やしたいという目的を持つ人がいる。草野球よりも試合の帰りに居酒屋に寄って仲間と飲み食いするのが楽しみ、など
・飲み会でだらだらしゃべっているような仲間は、友だちと呼べるのか?何年も会わなくても、常に心を通わせている関係こそ友だちというのではないか
・そして、趣味は大真面目にやった方がいい。無限の向上心と熱意とを持って、やめることなく継続する。継続すれば必ず上達できるし、最終的には思いがけない自己実現につながる
・「できなかったことができるようになる」ことが人間の大きな楽しみ
・適性がある趣味を選ぶこと。それをしている時間が楽しくて寝るのを忘れてしまう、ずっとやっていても苦にならないというのが適性がある証拠
・ピアノの適性がある子は、上手に弾けるのが楽しいからたくさん練習する。自分でも上手になるのが実感できるから、さらに練習する。先生や周りの大人からも褒められるから、さらに練習して上達するというサイクルに入っている
・芸術は、少しでも自分でやった経験を持っている方がより深く楽しめる。絵を描いた経験がある人は絵の見方に熱意と深みが出るし、音楽をやっている人は音楽の聴き方・味わい方が深くなる
・文学は、人に教わらず自己流で取り組んだ方がいい。夏目漱石や森鴎外の作品も、文章の先生について学んだわけではなく、その心の中から自発的に湧き出てきた世界。文学や絵画はほんらい誰からも独立の世界であるべき
・時間を節約するためのもっとも正しい方法は「やらなくてもいいことをやめる」こと
・人生において、時間を無駄にする一番の元凶は「惰性による人づきあい」
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Bangkok Thailand, 2025 |
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