今年のセブ島英会話学校には、カフェテリアが併設されている。
朝ごはんは「コーンフレークと菓子パン」とか「コンビーフとご飯」とかのしょうもないメニュー。でも昼と夜は5~6種類のおかずがビュッフェ形式で並ぶ。味はともかく、肉と野菜、果物のバランスは取れている。
南国だけあって、果物は特に豊富だ。スイカ、パイナップル、ブドウ、バナナ、オレンジなどが日替わりで出る。週2ぐらいは、マンゴーも食べ放題だ。その日はみんな、トレーのおかずスペースをマンゴーで山盛りにしている。
最初は大喜びで食べていたが、そのうち食傷してきた。
「マンゴーも食い飽きたな」
このセリフ、一度は言ってみたかった!
誰も聞いちゃいないけど。
去年の英会話学校は学食がなかったので、このカフェテリアの有難さは身に染みている。なにしろフィリピンの街中はファストフード店のオンパレード、その上地元料理は肉ばかりで野菜に乏しく、しかも油まみれなのだ。
3食10ドルの学食代を惜しんで、外食ばかりしていた人がいた。関西弁の元気な女性だったが、体調を崩し、予定を切り上げて帰国していった。
カフェテリアの料理はマイルドな味付けで、油も控えめなのだが、それでも腹を壊す人が続出している。
フィリピン料理、恐るべし。
私は学生時代の貧乏旅行中、インドで赤痢、ミャンマーでA型肝炎にやられ、隔離病棟への入院も経験した。それで免疫ができたのか、以来、どんな環境でも鉄壁の胃腸を誇っている。
レッスンの合間に、カフェテリアで人を眺めるのが楽しい。
いつも派手なレギンス姿は、元ANAのCAさん。これ以上習う必要あるの?と思うほど英語がうまい。彼女の目指す先は、どこにあるのだろう。
深紅のワンピースは、ベトナム人の中国語教師。
とびっきりの爽やか系イケメンは、YouTubeやブログで旅行情報を発信するタイ人インフルエンサーだ。
ノースリーブから出た右腕、全面にタトゥーを描いたパンク系白人女性がいる。どこの人だろう、外国人はいちいちキャラ立ちがすごい。
モンゴル人留学生も見かける。女性たちは顔立ち東洋系なのに、背がすらりと高く八頭身だ。
ロシアの大男アレクサンドルは、超がつくシャイな性格。背中を丸めて、蚊の鳴くような声で話す。モスクワでエンジニアをしていたらしい。
英語の勉強なら、もっと近くでできるでしょうに。例えばヨーロッパとか。
…ハタと気がついた。彼の国はいま戦争中。ロシアのパスポートで入国できる先は、本当に限られてしまうのだろう。
もしかしたら、徴兵忌避の平和主義者? そんな雰囲気もあった。
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ある日の学食ランチ |
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