2016年も、あと数時間で終わり。だらだらした南国タイでの年越しと違い、きちんと1年を振り返る気になるから不思議だ。
以下、フリーランサー2年目の備忘録。
今年最大のトピックは、夏を中心に102日間、信州の山荘で過ごしたこと。涼しさを通り越して、肌寒いほどのひと夏になった。
リオ五輪は、はるか別世界のできごと。静かな森を歩き、セネカ、プラトーン、ソロー、新渡戸稲造、司馬遼太郎を読んだ。
元ジャンボ機機長、マダガスカル駐在大使夫人、ネパール盲学生支援者ら、森の住民たちとの出会いもあった。
国外滞在は、1~3月に計76日間。去年(86日間)より少し短くなった。タイを拠点にラオスとミャンマーを訪ねた後、大学山岳部の学生たちとヒマラヤ山麓を歩いた。
「再会の年」でもあった。
33年ぶりに、高校山岳部の仲間たちと会う。8月には、パリ日本人学校時代の同級生と、37年ぶりに会うことができた。
消息不明だった私を、探し当てた友に感謝。SNSの威力を思い知る。
春と秋は、関東の城下町でボランティア。障がい者や高齢者をクルマで病院送迎、貧困家庭の子の塾講師、在住外国人の日本語教師、の3本立て。
車いすの人を病院まで送ると、診察を受けても薬をもらっても、会計を素通りする。障がい者の多くが高齢者、かつ生活保護の受給者で、代金を支払う必要がないことを、初めて知る。
学びの面では、近所の大学で「多文化共生ワークショップ」(日本語教師養成講座)を受講。「病院ボランティア養成講座」にも通った。
収入と支出について。昨年は失業給付があり、前の会社からボーナスも出たので、150万円の収入があった。今年は、社会福祉法人からの給料が5万円。もうひとつの有償ボランティアと合わせて、合計年収23万円。ラオスの一人当たりGDPと同じで、国内中心の暮らしには少し足らず、日本国債を売って充てる。
退職後しばらく、税金と社会保険料は現役時代と同じ額を「惜しみなく奪われて」いた。この夏ようやく、実際の所得に見合った額になった。
さて明日から新年。フリーランサー3年目の抱負は? 愛読する社会学者・河合薫のブログに、ミドルが大切にしたいこととして、こんな言葉があった。
「社会的欲求とか、他者からの評価とか、他者との競争とか一切関係ない、自らの価値。そこまで自己を切り離して、きれいな欲求を持つ」