タイにはリタイアメントビザというありがたい制度があり、50歳になると同時に長期滞在が可能になる。
私がなぜこのタイミングで会社を辞めたかがばれてしまう。
ところがこの制度には条件がいくつかある。ひとつは「タイの銀行口座に80万バーツ(約300万円)以上の預金残高があること」だ。だがこの条件をクリアするためタイの銀行に行くと、「労働許可証のない人は口座を作れません」と言って追い返される。
普通、リタイアメントビザを取る人はリタイアした人なのでは?
労働許可証と言われても・・・
バンコクの旅行代理店で、雑談でこの件を愚痴ると「知り合いの仲介業者を紹介できます」「この仲介業者は入国管理局に強力なコネがあるので、銀行口座がなくても確実にビザが取れます」「ついては代行手数料○万バーツです」とのことだった。
さすが、融通無碍なタイ!お金さえ払えばどうにでもなるらしい。
賄賂が必要な場面に出会った時、その国が嫌いになってしまう人もいるだろう。私は大好きだ。
とはいえ、その○万バーツが惜しい。ネットには「○○銀行××支店では労働許可証なしでも口座が開けた」「先月は開けなかった」など色々書いてある。情報を総合すると、銀行口座を開設できるかどうかはいくつかの銀行の、特定の支店の、その時の担当者次第ということらしい。これは手間がかかりそうだ。
先日チェンマイで、銀行口座開設にトライした。向かうはバンコク銀行ニマンヘミン支店。女性行員に英語で「口座開設したい」と告げパスポートを渡すと、「ワークパーミットは?」と恐怖の問いかけが。「実は観光ビザしか持っていません」「でも大好きなチェンマイに移り住みたい」「そのために貴行に口座を開き、日本からお金を送る必要があります」と必死に説明する。
行員が奥に引っ込む。上司の判断を仰いでいるようだ。ひと月前、バンコクのカシコン銀行でにべもなく断られた経験が頭をよぎる。その時は妻の友人(現地在住)に「パスポートと一緒に札束を差し出せば」と言われ、1ドル札30枚の両端を100ドル札で挟んだものをちらつかせた。何の効果もなかった。
彼女が戻ってきた。「運転免許証は?」想定外の質問だ。「・・・持っていません」絶体絶命。
ところがその後、言われるままにデポジットを渡し、日本とタイの住所と電話番号を記入、10回ぐらいあちこちにサインして20分後。あっけなくバンコク銀行の青い通帳と、VISAデビット付キャッシュカードを手にすることができた。
何が幸いしたかわからない。とりあえず、第一関門を突破したようだ。
チェンマイ市内フードコートの午後6時 |
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