旅行や出張で知らない街に行くと、いつも「自分はこの街で暮らしたいだろうか」と考えてみる。投資家やウェブ関連、文筆業など場所に縛られない仕事なら、住む場所は自分で自由に選ぶことが出来る。そんな生き方に憧れる。
ここプノンペンはどうだろう。
おおざっぱな印象では、物価は決して安くない。たとえば賃貸不動産物件は、スターツやレオパレス21が進出していて邦人需要が増えているようだが、日本人が快適かつ安全に暮らせるレベルのアパート賃料はバンコクと変わらない。
日本食材は、イオンが出来たので不自由しなさそう。日本食レストランは町中至る所にあり、ランチはどこでも5~7ドルで食べられる。
私は現地の食べものだけで生きていくことはできない。若いころは(笑)中国で3か月ずっと中華料理で満足していたし、欧米に行けば昼夜ハンバーガーやステーキとフライドポテトでOK!外国でまで日本料理レストランに入り浸る駐在のオヤジたちを、心底軽蔑していた。それがどうだ、今や自分が隙あらば日本食を食べている。昨夜も「おりがみ」というレストランに入ってしまった。サバ塩定食おいしかったなあ。
バンコクで暮らした40代初めの3年間は出張続きで、今日はインドネシアのサテーとナシゴレン、明日はパキスタンでケバブとマトンビリヤーニ、といった日々の繰り返し。当時、心底食べたくて夢にまで見たのは「卵かけごはん」だった。ある年齢になってから外国生活が続くと、体が日本の白いごはんを欲するのだろうか。
またそのころは飛行機移動も多く、タイ航空の機内食を毎週食べていた。ただでさえ飽きるのに、洋食を頼んでもタイ料理の香りがするのには参った。
ここプノンペンの交通機関で、一番お世話になっているのはトゥクトゥク(座席付の荷台をバイクで牽引するタクシーとでも言いましょうか、風通し抜群)だ。料金は交渉制で、ひと乗り2ドルぐらい。距離換算ではバンコクのメータータクシーより割高だと思う。もっともこれは外国人料金で、クメール語が出来ればもう少し安くなるかも知れない。
車とバイクが増え続けている割に信号が極端に少なく、ラッシュ時の大通りを渡るのは本当に苦労する。長く暮らしていると、やっと車の切れ目を見つけて渡りはじめたその瞬間、逆走してきたバイクに轢かれてあの世行き、という日が訪れそうだ。
プノンペンは人口構成が若く発展の真っ最中で、日々刻々と変化していく面白い街だ。人々は穏やかで、素朴な笑顔に出会える街でもある。政治も今のところは落ち着いていて、グローバル経済に国を開いていこうという姿勢がある。
住んでみたい気もする・・・が、もう少し旅を続けることにする。個人的には因縁浅からぬ土地、というか生まれ故郷なので、時々様子を見に来たい。
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