2016年2月2日

ドバイ空港ターミナル2


ミャンマーで珍しいエアラインに乗ったが、以前もっとすごい航空会社を使っている

2005年から07年にかけて、何度かアフガニスタンに出張した。中東の玄関口ドバイから首都カブールへは、アフガニスタン国営アリアナ航空、同民営カム・エア、国連機、以上3つの選択肢があった。

アリアナ航空は唯一、ネット予約ができた。でもeチケットではなく、数日後に国際宅配便で紙の航空券が届く方式なので、急な出張には使えない。まともな航空会社からは引退した、旧式のボーイング727やエアバスA300を飛ばしている。

最後にアリアナ航空に乗った時は、トルコの民間機を乗員ごとリースしていた。さすがは世俗的イスラム国家トルコで、客室乗務員は半袖とミニスカートの女性たちだった。一方でアフガニスタンは、女性を頭のてっぺんからつま先までブルカで覆う厳格な国だ。乗客のアフガン男性たちには、ちと刺激が強すぎないか。

 案の定、全員の目が通路を歩くCAの足にくぎ付け。驚愕の表情を隠さず、全身硬直していた。

カム・エアは、地元の金持ちが経営している。飛行機は最新鋭の737-800型などで、これもトルコから乗員ごとリースして使っている。HPにアクセスすると、ネット予約が「coming soon」とあり期待したが、結局は帰任するまで「coming soon」のままだった。

ドバイに着くと、市内にあるカム・エアのオフィスへチケットを買いに走った。時間がない時は、ドル札を手に直接、空港のカウンターで交渉する。満席のことも多く、毎回スリリングだった。

国連機は、United Nations Humanitarian Air Services(UNHAS)が運営する。週2便しかなく、主にカブールからの帰りに使った。UNHAS事務所の横柄な対応さえ我慢すれば、空いていて予約は取りやすい。親方国連の殿様商売で、料金はアリアナ航空やカム・エアの2倍した。

国連機だ、と期待して乗り込んでみると、やはりトルコやヨルダンの民間機をリースして使っている。何のことはない。結局、どこを選んでも借り物の飛行機だ。

カブール駐在の国連日本人職員いわく、彼らはアリアナ航空やカム・エアには乗ってはいけない規則だという。実際、カム・エアはカブール近郊の山中に墜落。アリアナ航空もドイツの空港で滑走路をオーバーランし、EU出入り禁止になった。

ドバイからのカブール便は、どれも早朝発。午前6時からの1時間に、相次いで出発していく。巨大で未来的なドバイ空港ターミナル1ではなく、タクシー運転手さえ場所を知らない、場末の雰囲気漂うターミナル2から発着した。

小さく暗いターミナル2からは、イラク便も出る。電光ボードにはカブール行、「タリバンの本拠地」カンダハル行と並んで、バグダッド行やバスラ行の文字が並ぶ。なかなかの迫力だ。

イラク便の搭乗口に行列するのは、丸太のような腕に入れ墨をした、迷彩ズボン姿の白人男。民間軍事会社に雇われた兵士や、軍需物資を運ぶトラック運転手らと思われる。

我がカブール便の乗客には、NGOや国際機関で働く女性もちらほら混じっている。バグダッドに比べれば、まだ安全な場所と言えそうだ。

少しだけ心が和んだ。


0 件のコメント:

コメントを投稿

肉食女子

わが母校は、伝統的に女子がキラキラ輝いて、男子が冴えない大学。 現在の山岳部も、 12 人の部員を束ねる主将は ナナコさんだ。 でも山岳部の場合、キャンパスを風を切って歩く「民放局アナ志望女子」たちとは、輝きっぷりが異なる。 今年大学を卒業して八ヶ岳の麓に就職したマソ...