2016年1月7日

気温33度のポジショントーク


 新年明けてタイに来た。

 料金を吹っ掛けられたり、メーターが改造されていたりスピード狂だったりと、バンコク空港から乗るタクシーには毎度ハラハラさせられる。今回は実直そうなおじさんに当たり、閑散とした高速道をゆったりとドライブ。道が空いているのは、帰省した地方出身者たちが、まだ完全には戻りきっていないから、とのこと。降りる時も、メーターの金額しか請求されなかった。

 毎度のことだが、車窓から眺めるバンコクの景色に見覚えがない。留守にしている間に、新しいオフィスビルや商業施設、高層アパートが建つからだと思う。「日本の地方から出て来ると、バンコクは未来都市みたい」と妻は言う。

 閑散期を狙って航空券を手配したが、今回は争奪戦が激しかった。ネットで調べる東京~バンコク間の空席状況は、元日過ぎても空きがあるのは東京行きばかりで、バンコク行きは軒並み満席。帰国ラッシュだったころと、まったく逆だ。

海外旅行をする日本人より、訪日外国人の方が多い。知識として頭に入ったつもりでも、インバウンド需要がこれほどすさまじいとは知らなかった。これから飛行機の手配では、日本人より外国人の動向を気にしなければ。

マイレージを使って、タダで飛行機に乗ろうとする私のような輩は、搭乗の優先順位が低いので特に気をつける必要がある。

タイ航空の機内でも、利用客の過半は日本人以外に見えた。日本滞在を楽しんで帰国するタイ人の姿が目につく。

ほんの数年前まで、タイ人の訪日ビザ取得には厳重な審査があった。経済格差もあり、日タイ間の旅客は、20対1ぐらいで日本人が多かったと思う。それが今や、タイ人が日本人を凌駕しそうな勢いだ。時代は変わった。

2006年、仕事で中国東北地方に行った。2ケタ成長が続き、中国のGDPが6年ごとに倍になっていた時期だ。遼寧省瀋陽で取材を手伝ってくれた女性は、日本留学から戻ったばかり。「たった3年いない間に、生まれ故郷の瀋陽がまったく別の街に変わっていた」と話していた。

減速したとはいえ、中国の経済成長率はいまだ7%。世界第2の経済大国・日本を抜いたと思ったら、いつの間にかGDPが日本の2倍になった。タイを含むASEANの経済成長率も6%台。ドル建ての1人当たりGDPで、シンガポール、香港、ブルネイが日本を抜いた。私たちは、この現実を理解しているだろうか。

新興国への投資は、中国株を筆頭に、株価が企業価値を適正に反映しないのが難しいところだ。それでも、自分のお金には冒険させたい。10年後の日経平均と新興国株指数、どちらが2倍になっているか。私は新興国に賭ける。たぶん、2倍ではきかないだろう。

指数を買うほかに、アリババのような、ニューヨーク上場の中国企業を買うという手もある。

ところで、やっとブログのタイトル通りの暮らしになった。

タイトルを変えたくないから、無理してアジアに来たわけではない。

日本だって、立派なアジアなのだ。


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