2016年1月19日

90分間のラオス旅行



 年明けから金融市場が荒れている。今年のNISAは毎月の積み立てをするつもりだったが、安くなったのでいっぺんに投資してしまった。

 FTSE新興国指数       40%

 CRSP米国小型株指数     20%

 FTSE世界小型株指数     20%

 MSCIフロンティア指数    20%

 ちなみにフロンティア市場というのは、クウェートやナイジェリア、パキスタンなど、新興国よりさらに危険、もとい成長力を秘めた国家群だ。

 皆が売っている時に、いちばん値下がりしたアセットを買うのが投資の鉄則とはいえ、心理的に難しい。世界経済と関係なさそうなタイの田舎にいた方が、かえって自分の意志を貫ける。

 幸い、今や東北タイの中級ホテルでもwifiがつながる。夕食後ニューヨークに指値注文を入れ、日本だったら「果報は寝て待て」、そのまま寝てしまう。タイは日本よりさらに2時間時差があるので、ぼんやり端末を見ているうちにNY市場が開いた。その日も世界中のインデックスが軒並み2%を超えて下がり、あっという間に約定した。

 いっけん分散投資をしているように見えて、実は思い切りタマゴをひとつの籠に盛っている。落としたら大変だが、債券投資家は弱虫だと公言している手前、他に選択肢がない。5年か10年放っておけば、値上がりしていると思う。

※昨年のNISAも一昨年のNISAも、現時点ではボロ負けだ。価格変動を友だちにできる人以外、マネしない方がいいです

 この東北タイ旅行中、4日間で3回、ラオスに行った。

メコン川に沿って車で北上すると、いつも右手にラオスの山が見えている。昼頃にドライブを終えて次の町に着くと、ほかにやることがない。暇つぶしがてら、つい国境を越えてしまう。

世界中で人畜無害と思われている日本人観光客は、ラオス入国にもビザがいらない。パスポートに、タイ出入国のスタンプとラオス出入国のスタンプが、きれいに6つずつ12個並んだ。90分間のラオス滞在後タイに再入国すると、イミグレーションの係官がまじまじと私の顔を見つめ、

「ノーグッド、サムライ・・・」

とつぶやいていた。

タイ~ラオス国境のメコン川に近年、日本やオーストラリアなどの援助で4本の橋が架けられた。今回、そのうち3本を渡ったことになる。どの橋も交通量は少なく、税関ものんびりしている。だが、渡った先のラオスは、小さなボートで国境越えした10年前とは激変していた。

何もなかった町なかの広場には市が立ち、まるで白昼夢のようにひと気のない道が車で渋滞している。以前味わった、フランス植民地時代のノスタルジーを期待していたのでがっかりしたが、これが現実だ。

昨年12月31日にASEAN経済共同体(AEC)が発足し、東南アジアのヒト・モノ・サービスの流れは今後ますます活発になるようだ。

思い出の地はそのままでいて欲しい反面、経済成長のおこぼれにも預かりたい。サムライ煩悩だらけ。

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