トヨタがベア4000円、日産は5000円で過去最高額。ボーナスは満額回答。
久しぶりに帰国したら、ニッポンはやけに景気がいいようだ。
そもそも「ベア」なんて言葉、不況で10年以上聞かなかった。死語になったかと思っていた。
給料が底上げされる時代の復活。少し前まで、誰も想像していなかったのではなかろうか。
かくいう私は、月末に給料が払い込まれなくなって、もうすぐ3か月になる。何ともむごいタイミングで退職してしまった。
もっとも、25年間、連続300か月もらいつづけていた月給がなくなり、かなり焦るかと思っていたら、意外に平気なものだ。強がりでなく。
生活をシンプルにするために、東京を脱出したのが効いている。移り住んだ人口20万の街での毎日は、驚くほどお金が減らない。いつもコンビニATMから3万円ずつ引き出し、財布に入れているが、ここでは東京の2倍も日持ちがする。
カンボジアの古典舞踊「アプサラ・ダンス」 |
まず、地価や人件費が違うせいか、モノやサービスの値段が安い。昨日は髪を切ったが、駅周辺の理容室3軒ともカット代1000円だった。前回切ったバンコクより安い。
そのうえ、大都会の消費社会から外れ、お金を使わせようという誘惑が少ない。早い話、身の回りに買いたいモノがない。
また、会社勤めで発生する「ストレス消費」がないのも大きい。去年まで毎晩飲み歩いていた訳ではないし、衝動買いが多かったつもりもないが、何やかやと散財していたようだ。
職場が銀座にあった一昨年、毎日のランチに社員食堂はほとんど使わなかった。同僚と一緒に、今日はインド料理、明日はイタリアンと食べ歩き。いま思えば、これも一種のストレス消費だった。
私がいた新聞業界も賃上げできるかというと、少し疑わしい。私の古巣も、ライバル紙の従軍慰安婦報道の失態に乗じてシェアを伸ばしているかと思ったら、一緒になって発行部数を減らしている。消費増税のダメージが大きい。
もうかっている自動車メーカーあたりから広告収入が入って、元同僚の懐も潤うのを願っている。そうすればおごってもらえるし。
ところでこの賃上げニュース、私だけ蚊帳の外なのは寂しい。国際分散投資のセオリーに則って、確定拠出年金などの一部は日本株に投資している。みんなの給料が上がって景気がよくなれば、私の持ち株も値上がりするかも知れない。
リタイア後 ブルかどうかは ベア次第
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