2022年7月15日

なんでやねん! Japanese people ! ②

 

「サコ学長、日本を語る」 ウスビ・サコ著 朝日新聞出版

 サコ先生と親しい思想家の内田樹氏によると、「もっと勉強しろという先生はいくらでもいるが、サコ先生はもっとだらだらしろと本気で怒る」らしい。

 アフリカ出身で京都精華大学の学長になったサコ先生の、名言、迷言、金言に、いま一度お付き合い下さい。

 

・日本の教育はダブルスタンダードだ。表面では「平等だ」と言いつつ、自分なりの価値感を持っていたり、形式を重んじたくない子が拾われない。そういう子は、能力や賢さがないわけじゃないのに、「ダメな子」とされる

・平等とは「普遍的な人間を作ること」ではない。平等な機会をどう与えるかが大事。その機会がない子がいるというのは、平等ではない

 ・日本の教育は「本人が満足できる人生を送る」ためではなく、「使える人間」を作るための教育制度。「社会で使えるかどうか」という基準を保つことに、親も含めて全員が、全力で協力してしまっている

・小中学校だけでも、不登校が16万人。15歳から39歳までの死因第1位が自殺。日本社会はいったい、どうなっているのか

・世の中には、生まれながらに弱い人も強い人もいる。弱い人を強くするのでなく、弱い人が弱いままに生きられるよう、支えなければ

・私から見た日本の教育は、「今の社会システムや社会構造を維持したい」という中高年の思いに、子どもや学生、若者が巻き込まれている状態

・大人は「早く大学を決めて、早く就職活動して早く就職しないと遅れる」と学生たちの不安を煽るが、人生100年の時代に、いったい何に遅れるというのか。留年してもいいし、卒業後にアルバイトを経験してから就職してもいい

・なんとなく社会に漂っている焦りは、これまで作り上げてきたシステムが失われることに対する中高年の焦りに過ぎない

・常に将来につながることをやっていないとダメだという空気、何かの役に立っていなければ生きられないようなプレッシャー、就職が全てという思い込み。それらと引きこもりや自殺は、全てつながっている

「日本人よ、もっと肩の力を抜こうぜと、私は言いたい」

 

 サコ先生の故郷マリでは、親が先生に賄賂を渡すことがある。「うちの子の成績を悪くして、学校を辞めさせて欲しい」と頼むのだそうだ。

「一生懸命学校に行かせるのでなく、むしろ一生懸命学校を辞めさせようとする。なぜかというと、マリでは多くの人が、学校以外に人間形成の場があるということを知っているからだ」

「教育とは、偏差値でも識字率でもない。

教育は何のためにあるのかというと、個人を幸せにするためである」


京都大学のかなり多くの教授の子息が、京都精華大学で学んでいるという。


Itoman, Okinawa


2022年7月8日

なんでやねん! Japanese people ! ①

 

「サコ学長、日本を語る」 ウスビ・サコ著 朝日新聞出版

 著者は西アフリカ・マリ共和国出身。25歳で来日後、1年足らずで日本語を習得して京都大学大学院に入学。2018年、京都精華大学学長に就任した。

 最近では立命館アジア太平洋大学が、学長を一般公募して出口治明・ライフネット生命元会長を迎え、日本大学が作家の林真理子氏を理事長にしている。

いくつかの大学が、本気で変わろうとしているようだ。

 アフリカ出身サコ学長が感じたWhy Japanese people ? を紹介します。

【学校に期待しすぎる日本人】

 日本で長年生活していると、どうしても理解できないこと、ヘンだなと思うことがいくつかある。

 まず、学校というものに対する日本の人々の過剰な期待感に、私はビックリしている。なんだかわからないけれど、とにかく日本人は学校が大好きなのだなと思っている。

 日々の生活にまつわるあらゆる要素が学校に集結し、人生そのものが学校中心になっている。部活も友だちも、全てが学校にあるため、学校以外のものが考えられないような時間の作りになっているように見える。

 部活をやっていた(私の)息子たちも例外なく朝から晩まで学校にいて、好き勝手にダラダラする時間がない。よくそんな生活に耐えられるなと、親として違和感を抱いていた。

 しかし日本の親は、「部活に入っているから、余計な趣味に気が散らなくて安心」などと言うのだから、わけがわからない。

 それって、逆じゃないの?

 義務化されていない時間をいかに有効に使い、その人が人格形成していくか。それが、子どもの教育にとって必要不可欠であるはずなのに、日本の大人たちはそこから手を引いているように思える。

 余暇の使い方を学ぶことこそが、人間を作り、個性を作る。それが私の持論である。

【平等をはき違える日本人】

(親は)いかに自分の子を他の子と差がないようにするか。そして個性よりも、いかに自分の子が上位にいるかということを大事に考えてしまう傾向はないだろうか。

 わが子を偏差値の高い大学や医学部に進学させたお母さんが、私に耳打ちで報告してきたときは驚いた。

「うちの子、医学部なんです」

 なんで小声やねん!

 医学部に行きたかった子が医学部に行くのなら、別に「よかったね」と思うし、やりたい子がやりたい道に進んだ、というだけのことであるはずなのに。


Matsumoto City Museum of Art, Japan


2022年7月1日

厚切り流FIRE達成術

 

 年下の友だちと資産運用の話をしていたら、あるお笑い芸人の名が出た。

 厚切りジェイソン、36歳。

その著書「ジェイソン流お金の増やし方」は、43万部のベストセラーになったという。

彼は「アメリカ株インデックス投信の積み立て」という、とてもオーソドックスな方法でFIREを達成している。投資哲学は共感できるが、日経ビジネス電子版のインタビューを読むと、かな~り変人だ。

以下に厚切り名言集を…

FIRE達成の鍵は「収入と支出の差額ですね。言い方は悪いですけど、僕はまあ高収入で支出が少ない」

「僕は私服は今でも人からもらったものを着ていて、自分で買ったことがほぼないんです」

「業務スーパー」で買った2リットルの飲料の空き瓶に、インスタントコーヒーを溶かして「今日も3リットル飲みましたよ」

「今日もオーケーストアに行きました。牛乳や冷凍食品など30kgくらいの買い物をして、登山リュックをしょったまま歩いて」

「普段も2km離れている業務スーパーまで行って、満杯のリュックをしょって帰りますよ」

「マイバッグも必ず持ってます。レジ袋にマネー払ってる場合か!」

「母が節約の努力を見せてくれたのが大きいと思います」「米国の教育は教会と学校と家庭の3本柱で、金銭教育は基本、家庭内で教えます」「日本は学校に任せ過ぎの人が多く、家庭教育もあまり熱心じゃないかも」

「手元には3カ月分の生活費を残して、後は全部投資に回していい」「なぜ3カ月かというと、それだけあれば次の収入を見つけられる自信があるからです」

「最近ですと収入の95%くらいを投資に回していて、究極というか、もうこれ以上やりようがない感じ」

「データは友達ですね。ロシアのウクライナ侵攻の時には、世界的な紛争で株価が暴落した後、戻るのにどのくらいかかるのかを調べました。3カ月ほどで戻ってくる傾向があるのが分かりました」

「父はリーマン・ショックの時に狼狽売りして、後悔してました。僕はそれを見ていたので今回のコロナショックでは売却しないで済んだ」

「夫婦でお金の価値観が合わないとうまくいかないケースがある。金銭感覚の不一致は米国の離婚原因の上位に入ってます」

「ともかく日本は年金制度があり退職金が出るところも多いから、これまではお金の知識がなくても何とかなった人が多いのは事実ですよ。ただ、この先はちゃんと考えた方が有利な時代になると思います」

Matsumoto City Museum of Art


2022年6月24日

愛はアートだ

 370号室④ベッドに、Yさんは寝ている。

 おじいさんと呼ぶにはちょっと早い、男性患者だ。

 お茶を配りに行くと、眼を見開き、ギロリとこちらを睨んで「いらねぇ!」 ドスの効いた声が返ってくる。

大きなやかんで配るお茶は、「ドケチ病院」(先輩たちの口癖)が用意した、決して上等とはいえない茶葉で淹れてある。おまけにYさんの病室にたどり着くころには、思いっきりお湯を注ぎ足してある。

「いらねぇ」と吐き捨てる彼の気持ちも、まぁわかる。

ところがこのYさん、風呂場で服を脱がせてもらう時やおむつ交換の時も、少しでも気に食わないと大声で怒鳴り、悪態をつく。困った患者だ。

そうは言っても、寝たきりで自分ではトイレにも行けず、目もよく見えないYさんを、先輩はうまくなだめながら、必要なケアを提供する。

でも、医療従事者だって人間だ。感情的になり、言い争いをする場面も見かけた。

そして、ランチタイムの職員休憩室。

Yさん、今週退院だって」

「わぁ、やったね!」

「いつもお見舞いに来るあの女性、娘さんかと思ったらナイエンノツマらしいよ」

「いったい彼女、どうやって一人でYさんを介護するんだろう」

「私にはぜったい無理!」

「うん、たとえYさんが大金持ちでも、私もムリ~」

 

 果たしてYさんみたいな患者を、等しく愛情を持ってケアすることは可能か?

ドイツの心理学者エーリッヒ・フロムが書いた「愛するということ」。原著のタイトルを“The Art of Loving”というこの本で、フロムは「愛は技術(Art)だ」と言い切っている。ほんの一部だけ紹介すると、

・もし特定の一人だけしか愛さず、他の人々に無関心であったとしたら、それは真実の愛ではなく執着にすぎない。利己主義が拡大されたものに他ならない

・利己的な人は、自分を愛しすぎるのではなく、愛さなすぎる。憎んでさえいる

・他者への愛の原点として、自分への愛が必要だが、自分という存在をもっとも強く拒んでいるのも自分

・自分を受け入れ、許し、寄り添うことができれば、その先に他者を受け入れ、そして人間そのものを受け入れるという道がある

・その道は簡単ではなく、鍛錬を伴う

 

他人を愛するためには、まず自分を愛せよ、か。 

 ハイ! それなら自信あります!! 

Matsumoto City Museum of Art, Japan



2022年6月17日

鬼門のナースステーション

 

 ナースステーションの外でなく、中にいる自分に、まだ全然慣れない。

 そして、しょっちゅう「ミヤサカさん!」と呼ばれるのだが、いつも他の誰かが、代わって返事をしてくれる。

 なんとこの病棟には、看護師のミヤサカさん、看護助手のミヤサカさん、そして患者さんにもミヤサカさんがいるのだ。

 看護師長までミヤサカさんだ。

 東京にいた頃は、ほとんど同姓の人と出会わなかったのにな。


先輩に「出身はどこ?」と聞かれ、時間がない時は「東京です」と答える。

すると決まって、「エッここの人じゃないの?」と驚かれる。

 余裕がある時には、「生まれたのがカンボジアで、小中学校はフランスで…」と詳しく説明する。今までは十中八九、

「さぞかしフランス語がペラペラなんでしょうね」

というイヤ~な反応が返ってきたのだが、ここ信州の病院は少し違った。

「英語ができるんですね~」という、ややピント外れなものから、

「日本語お上手ですね!」と言われたことも。

 

 日本語だけはお上手なつもりだが、意思疎通には苦労している。ある時、

「ゴシタイ」

「ウツカル」

 と患者さんに言われて、絶句した。

 信州でもこの辺りに特有の方言で、それぞれ「疲れた」「寄りかかる」という意味だそうだ。

 ポケトーク長野版が欲しい。

 

 車いすのAさんをレントゲン検査に連れて行き、病棟に戻ると、看護師さんが怖い顔をしている。

Aさんにはリハビリの予約があって、理学療法士が待ってたんですよ。ちゃんと確認したの?」

 隣のBさんの病室には、入り口のマットに徘徊探知機がついている。知らずに踏んづけたら、ナースコール鳴りまくり!

 またまた看護師さんに睨まれた。

 患者にはひたすら優しい看護師さんも、上司にすると、かなりコワイ。

 

 待ちに待った休日。

 知人の留守宅へ、ドッグシッターに向かった。

 散歩して、おしっこさせて、おやつを食べさせて。

 ジュニパーちゃんは大喜び。ベロベロ顔を嘗めてくれる。

あぁ、癒される。ペットっていいなぁ。

 人さまのケアより、お犬さまをケアする方が…向いてるかも。



2022年6月11日

3階南病棟にて

 

 配属先は、3階南病棟ナースステーション。

 朝礼で看護師さんへの挨拶を終えたと思ったら、「さぁ早く着替えて!」

 慌てて支給されたばかりの制服を脱ぎ、Tシャツとジャージ、サンダル履きで風呂場に向かう。勤務初日は夕方まで、怒涛の「入浴介助」となった。

 寝たきりの患者さんをベッドごと病室から運んで、横になったまま体を洗える「シャワーベッド」に移す作業を繰り返す。

 顔に酸素マスクを当てた人、お腹に胃ろうの穴が開いている人、尿道カテーテルを入れている人。そんな患者さんの体位を変えながら、それは鮮やかな手つきで、先輩がパジャマを脱がせていく。

 いや、見とれている場合じゃないんだけれども。

 中腰になることが多く、半日で腰が痛んだ。

 入浴のない日は、「フロア担当」。各病室を回って食事を配り、トイレ介助をし、車いすに乗せてレントゲン室やCT室にお連れする。

 病室が多いから、お茶を配るだけで1時間かかる。先輩方は小柄なのに、身長179センチの私が小走りになるほど、廊下を歩くのが早い。

 おむつ交換や、「陰洗」(尿道炎防止のための陰部洗浄)といった仕事もある。ナースステーションでは、うら若き女性たちが「今日のAさん(の便)はソフトクリームだった!」と盛り上がっている。

寝たきり患者さんのお尻に、床ずれによる大きな穴(褥瘡)を発見した時は、ちょっとショックだった。

ベッドメイキングでは、床ずれ防止のための「絶対にシワを残さないシーツ交換法」を、厳しく指導された。来年はホテルに転職できるかも!

ランチタイムの休憩室は、女の園。2人いるはずの男性看護師は、どこに雲隠れしたのか、いつも見当たらない。

白衣の天使からは、「早く帰りたい」「このドケチ病院!」といった率直すぎるお言葉と一緒に、

「寝たきりのXさんが廊下を歩いた」

「手づかみでものを食べていたYさんが、箸を使えるようになった」

 患者さんの回復を喜ぶ声が聞こえてくる。

今までの経験から照らせば、この仕事はアマゾン並みにきつい。アマゾンで働いた時は、東京ドームより広い倉庫中をカートを引いて駆け回り、食品や日用品など1時間に95アイテム集めてくるのがノルマだった。

アマゾンでは、勤務中は私語厳禁。ノルマをこなせないと叱責された。今回は不慣れな新人にも、「ありがとう」という言葉のシャワーが降ってくる。

今年の職業は、「看護助手」です。



2022年6月4日

給料いりません

 

 タダでもやりたい、とか、お金を払ってでもやりたい、とか。

 そう思える仕事ってありますか?

 

 この前、「タダでもやってみたい」と思っていた仕事の求人が、それも意中の組織から出されているのを見つけた。天にも昇る思いで、すぐに履歴書を書いて送った。

 顔写真は実物以上に冴えないし、いいトシだし、職歴はマスコミ、公務員からアマゾンの倉庫係まで、一貫性というものがまるでない。我ながら見栄えのしない履歴書だと思う。

 でも面接までこぎつけてしまえば、こっちのもんだ。新卒で就活した頃と違って、採用担当者より自分の方が年上だったりするから、心の余裕が違う。

 幸い人事部長ともウマが合い、面接はいい感じで進んだ。でも話が待遇面になり、私が「フルタイムでなく週3~4日勤務で」と伝えると、部長は「うーん…」と言って黙り込んだ。

 ここぞ!とばかり、伝家の宝刀を抜かせて頂く。

「もしわがままを聞いて頂けるなら、給料はいりません!」

「いやいや、そんな訳には」

 そして、めでたく採用内定。

無敵のセリフである。

(ホンネは、もちろん給料は欲しいです)

 

LUXDOVEなどのシャンプーで知られるユニリーバ・ジャパンでは、採用試験の際、履歴書から性別欄を削除し、顔写真も不要、性別が類推できるファーストネームの記入も不要にしたという(以下、日経ビジネス電子版より)。

・履歴書から顔写真、ファーストネーム、性別の欄を削除したことについて、同社は「採用担当者はこれらの項目から、志願者の性別や容姿を思い浮かべてしまいがちだが、本来は審査で必要としない」と話す

・そして「多様性やジェンダーに理解を示す企業に対し、好感を持つ学生は増えている」。同社に続いて、履歴書から顔写真をなくす企業が増えている

・ユニリーバは、次に年齢の削除も視野に入れる

 

私の今度の職場は、500人いるスタッフの9割が女性だ。

とても場違いな人間を採用して頂いたことに、感謝。

そして将来、履歴書から顔写真、性別、年齢欄がなくなれば、どの業種も多様性に富んだ、居心地のいい職場になると思う。

…せめて女7:男3ぐらいだと居心地いいんですけど



私はカモシカ

  ・もし、自分を動物に例えるとしたら? A 子「リス」  B 子「カモシカ」  C 子「飛べない鳥」  D 子「ウサギ」  E 子「フクロウ」 ・あなたが人生の最後に食べたいのは? A 子「オムライス」  B 子「あん肝」  C 子「寿司」  D 子「オムライス」 ...