学生時代の同級生Z子さんが、わが森の家にやってきた。
昔からの彼女の印象といえば、「まじめ」「物静か」「しっかり者」「努力家」。
卒業後、実業家の夫と結婚して3人の娘をもうけた。
上の2人はもう社会人だ。
娘さんたちは今、恋多き年ごろ? それとも草食系だったりするのかな。
聞いてみたら、長女と次女にはボーイフレンドがいるという。
長女に恋人ができたらしいことには、うすうす気づいていたZ子さん。
そのうち、あろうことか、その彼と、夜中に、自宅の洗面所で、鉢合わせするようになった。
「あ、どーも」
「あ、ども…」
お互い、軽く会釈してすれ違う。
そのうち、冷蔵庫の中身が、異常な早さでなくなるように。
そこで初めて、わが娘の部屋にオトコが住んでいることに気づいた。
カセットコンロを持ち込んで、煮炊きしていたという。
「だって私、昼間は仕事でいないし…」
「それにウチは会社兼自宅で、リビングは3階、娘の部屋は1階だから…」
と、言い訳するZ子さん。
「まさか…ダンナも気づかなかったの?」
「彼はほら、あの通り愛想のない人だから」
夜中の洗面所で娘の彼氏と鉢合わせしても、チラッと一瞥をくれるだけ。
ダンナさまも、特に気にしていないという。
隣にいたK子さん(Z子さんの親友)(同じく20代の娘の母)が、口をあんぐり開けて、Z子さんを見つめていた。
そして最近、次女にもボーイフレンドができた。
夜になっても、帰って来ない。
どうやら、彼の部屋で同棲を始めたらしい。
ここまで話したZ子さんが、低い声で呟いた。
「やられたら、やり返せ! だよ」
やられたら、やり返せ…?
長女の彼も次女の彼も、
「2人とも、とってもいい人」
だ、そうだ…
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Cebu Philippines, 2025 |
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