2022年6月4日

給料いりません

 

 タダでもやりたい、とか、お金を払ってでもやりたい、とか。

 そう思える仕事ってありますか?

 

 この前、「タダでもやってみたい」と思っていた仕事の求人が、それも意中の組織から出されているのを見つけた。天にも昇る思いで、すぐに履歴書を書いて送った。

 顔写真は実物以上に冴えないし、いいトシだし、職歴はマスコミ、公務員からアマゾンの倉庫係まで、一貫性というものがまるでない。我ながら見栄えのしない履歴書だと思う。

 でも面接までこぎつけてしまえば、こっちのもんだ。新卒で就活した頃と違って、採用担当者より自分の方が年上だったりするから、心の余裕が違う。

 幸い人事部長ともウマが合い、面接はいい感じで進んだ。でも話が待遇面になり、私が「フルタイムでなく週3~4日勤務で」と伝えると、部長は「うーん…」と言って黙り込んだ。

 ここぞ!とばかり、伝家の宝刀を抜かせて頂く。

「もしわがままを聞いて頂けるなら、給料はいりません!」

「いやいや、そんな訳には」

 そして、めでたく採用内定。

無敵のセリフである。

(ホンネは、もちろん給料は欲しいです)

 

LUXDOVEなどのシャンプーで知られるユニリーバ・ジャパンでは、採用試験の際、履歴書から性別欄を削除し、顔写真も不要、性別が類推できるファーストネームの記入も不要にしたという(以下、日経ビジネス電子版より)。

・履歴書から顔写真、ファーストネーム、性別の欄を削除したことについて、同社は「採用担当者はこれらの項目から、志願者の性別や容姿を思い浮かべてしまいがちだが、本来は審査で必要としない」と話す

・そして「多様性やジェンダーに理解を示す企業に対し、好感を持つ学生は増えている」。同社に続いて、履歴書から顔写真をなくす企業が増えている

・ユニリーバは、次に年齢の削除も視野に入れる

 

私の今度の職場は、500人いるスタッフの9割が女性だ。

とても場違いな人間を採用して頂いたことに、感謝。

そして将来、履歴書から顔写真、性別、年齢欄がなくなれば、どの業種も多様性に富んだ、居心地のいい職場になると思う。

…せめて女7:男3ぐらいだと居心地いいんですけど



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