2022年6月17日

鬼門のナースステーション

 

 ナースステーションの外でなく、中にいる自分に、まだ全然慣れない。

 そして、しょっちゅう「ミヤサカさん!」と呼ばれるのだが、いつも他の誰かが、代わって返事をしてくれる。

 なんとこの病棟には、看護師のミヤサカさん、看護助手のミヤサカさん、そして患者さんにもミヤサカさんがいるのだ。

 看護師長までミヤサカさんだ。

 東京にいた頃は、ほとんど同姓の人と出会わなかったのにな。


先輩に「出身はどこ?」と聞かれ、時間がない時は「東京です」と答える。

すると決まって、「エッここの人じゃないの?」と驚かれる。

 余裕がある時には、「生まれたのがカンボジアで、小中学校はフランスで…」と詳しく説明する。今までは十中八九、

「さぞかしフランス語がペラペラなんでしょうね」

というイヤ~な反応が返ってきたのだが、ここ信州の病院は少し違った。

「英語ができるんですね~」という、ややピント外れなものから、

「日本語お上手ですね!」と言われたことも。

 

 日本語だけはお上手なつもりだが、意思疎通には苦労している。ある時、

「ゴシタイ」

「ウツカル」

 と患者さんに言われて、絶句した。

 信州でもこの辺りに特有の方言で、それぞれ「疲れた」「寄りかかる」という意味だそうだ。

 ポケトーク長野版が欲しい。

 

 車いすのAさんをレントゲン検査に連れて行き、病棟に戻ると、看護師さんが怖い顔をしている。

Aさんにはリハビリの予約があって、理学療法士が待ってたんですよ。ちゃんと確認したの?」

 隣のBさんの病室には、入り口のマットに徘徊探知機がついている。知らずに踏んづけたら、ナースコール鳴りまくり!

 またまた看護師さんに睨まれた。

 患者にはひたすら優しい看護師さんも、上司にすると、かなりコワイ。

 

 待ちに待った休日。

 知人の留守宅へ、ドッグシッターに向かった。

 散歩して、おしっこさせて、おやつを食べさせて。

 ジュニパーちゃんは大喜び。ベロベロ顔を嘗めてくれる。

あぁ、癒される。ペットっていいなぁ。

 人さまのケアより、お犬さまをケアする方が…向いてるかも。



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