同世代の友人から、資産運用の相談を受けることがある。
彼らも人生の折り返し点をすぎ、早めの退職を選んだ私のマネープランに興味を持つようだ。
自分のお金は自己責任で自由に動かせるが、人のお金となると何もアドバイスできないことに気付く。子供の年齢、住宅ローンの有無、何歳まで働くつもりか、などの条件でかなり変わるので、無責任なことは言えない。
2009年、私の会社でも確定拠出型年金(DC)が導入され、年金運用の一部が会社から個人に移された。外部の講師を招いた形ばかりの投資教育が行われたが、当時の同僚の多くは、さてどうしたものかと戸惑っていた。
私は、年金の大部分は引き続き会社が手堅く運用すること、DCの非課税メリットを生かすには最大限リスクを取るべきだと考え、全額を日本株と外国株のインデックスファンドに拠出した。疑うことを知らない純真な同僚が何人か、私の胡散臭い説に従った。
リーマンショック後の世界的な株高と、異次元緩和による円安にタイミングが重なり、DCは5年で2倍以上に増えた。純真な同僚たちにも、喜んでもらえたはずだ。
これだけ短期間に増えたのは、単に運が良かっただけ。もしリーマンショックを挟んだ時期だったら、投資額は半減し、私は袋叩きにあっていただろう。
昨年から制度が始まったNISA。3人の子を持つ後輩が、自分で勉強してネット証券に口座を作り、国内外の株や債券に分散投資するファンドを買った。100万円をいっぺんに投資してしまったので、素人の蛮勇とばかり思っていた。ところが1年が終わってみると、ちょうどその日が株の大底。ビギナーズラック気味とはいえ、恐れ入った。
私も、分散投資と称してフロンティア株と新興国REITファンドを買った。中身はクウェートの銀行やナイジェリアのビール会社、ケニアのネット企業に南アフリカとメキシコ、マレーシアの不動産、などなど。毒を持って毒を制する戦法。
その結果、アベノミクスで湧く周囲を尻目に?なんと損を出してしまった。どうも分散する方向を間違えたようだ。
なに、持ち続ければ、10年後には3倍になるでしょう。何の根拠もない負け惜しみだけれど。
日本人は「お金の話をするのは卑しい」と考える。私も、人とお金の話をするとき、なんとなく居心地の悪さを感じる。
それでも、「お金は汚い」とまでは考えなくてもいい。誰だって、今より少し広い家に住み、もっとおいしいものを食べたり、旅行に行ったりしたいはず。
本音を隠して仏頂面をする日本人と、マネー大好き!で単純にお金持ちを尊敬するアメリカ人。どちらにお金が集まるかといえば、やはり後者なのだろう。
カンボジア・シエムレアプで |
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