このところ、勤務先の自然学校に連日、首都圏の小中学校がやってくる。
先日、ある北関東の私立中の先生から「ウチの生徒、新NISAの話になると目の色が変わります。実際に株式投資を始めた子もいますよ」という話を聞いた。
中学生から株式投資! 未成年でも証券口座を開けるんだっけ。
日本人が一生涯に得る平均賃金は2.2~2.7億円(大卒正社員の場合)。限られた収入を運用するかしないかで、人生後半の幸福度に大差がつく。お金の教育は、早ければ早いほどいい。
各校の課外学習(森のオリエンテーリング)を手伝っていて気になるのは、「たまに」と「しょっちゅう」の間ぐらいの割で、子どもを怒鳴る先生がいることだ。
ADHD傾向の子などの一部は、まるで大人の忍耐力を試すような言動を繰り返す。先生という職業、かなりの精神修養を必要とするのは確かだ。
それでも。周囲を凍り付かせるような大声はやめて欲しい。
知性と理性で、子どもに接して欲しい。
リクルート出身で、東京都内の中学校で「義務教育初の民間校長」を務めた藤原和博氏。日経ビジネス電子版のインタビュー記事を、一部紹介します。
・現在、小中高の生徒は1200万人強。そのうち、不登校の子が30万人。でもこれは「まだ」少ない。学校に全く興味はないが仕方ないから付き合っている子、この状況にギリギリ耐えている子が、さらに300万人いる
・不登校が増えたというと、大慌てで「不登校を減らそう」というが、それは間違い。今の教員の力量で不登校を減らすことは無理だ
・首都圏のある地域では、教員の出身大学の偏差値は50を切っている。東京都など、昔は16倍くらいの倍率だった教員採用面接が2倍を切った
・この現実を知っていると、教員の質を上げるとか、教員に研修をすればもっと教えられるようになるとか、もっと豊かな教育ができるようになるといった話が幻想だと分かる
・それよりも、先生の半分をオンラインの中に求めた方が現実的。言葉の壁はあと5年の間になくなるから、日本で海外のオンラインアカデミーに学ぶ子がいてもいい。アルゼンチンの算数の教員がすごく面白くてエネルギッシュであれば、そういう人から学んでもいい
・これだけ円安が進むと、金持ちの子しか海外留学できない。そう考えると、ある程度エリート教育を認めざるを得ない。徹底的に優秀な人を数少なくてもいいから増やして、100倍の生産性で日本に恩返ししてもらう
・「irreplacable(代替できない存在)」が、これからのキーワード。言い換えると「希少性」
・自分自身をレアカード化したい
Musee de l'Orangerie, Paris 2024 |
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