NPO法人「フローレンス」会長の、駒崎弘樹さん。
ある日彼は、お母さんが「子どもの看病で会社を休んで、解雇された人がいるんだって」と話しているのを聞いた。
大学卒業後すぐに、病児保育のNPOを設立。
以来、メディアで発言を続けている。
5月26日付読売新聞で、久しぶりに駒崎さんのインタビュー記事を見つけた。
相変わらず自らの経験に根差した、的を射た発言が多い。
思わず膝を打ちまくってしまったので、一部を紹介します。
・最近、SNSで「子持ち様」という言葉が広がっている
「子持ち様の子が、また熱を出したとか言って休んだ。そのカバーで仕事が増えた」などという使われ方をする。子どもを育てる親が、職場から配慮を受けることを揶揄している
・20~30代の未婚の男女から、そうした声が上がることに衝撃を受けた。不満をぶつける相手は、仕事のカバー態勢を整えていない会社側であるはず。「被害者が被害者を叩く」悲劇的な構図だ
・1980年代は全世帯の半数近くに子どもがいたが、今は2割弱と少数派。こうした言葉で子育て世帯の肩身が狭くなり、さらに子どもを産もうという気持ちが薄れてしまうのではないか。そして少子化が加速するのでは?
・日本では「男性が外で仕事をして、女性が家を守る」という役割分担が無意識にすり込まれている。育児が妻に固定化され、夫の会社がそれにただ乗りしている
・日本は長時間労働を前提としている。法定労働時間(1日8時間)を超える割増賃金が欧州の半分ほどと安く、企業からすると残業させやすいため、働く時間が長い
・現状のままでは共働きはできても、共育てはできない。労働時間の短縮が、出生率を大幅に上昇させるという研究結果もある
・少子化を巡る問題が難しいのは、当事者の課題が数年ごとに変わってしまうこと。保育所がない、学童保育に入れないと悩んでも、一定期間を耐えれば過ぎ去る。当事者でなくなっても声を上げ続ける人は、ほとんどいない
・子どもは成長し、今の現役世代が高齢者になった時、社会保障制度を支える担い手になる。誰もが「自分の未来への投資」と考え、社会で子育て世帯を支えていく意識を醸成していく必要がある
「私が好きな言葉はインド独立の父、マハトマ・ガンジーの『あなたが見たいと思う変革に、あなた自身がなりなさい』。自分でやってみて必要があれば広げていく、という姿勢を大切にしています」
Jardin des Plantes Paris, January 2024 |
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