セブ島英語留学は、朝の9時から夕方6時まで英語漬け。
毎日7時間の授業のうち、5時間がマンツーマンレッスンだ。
入れ替わり立ち替わり、6人の先生に英会話を習う。そのうち5人が20代。
最近、少し個人的なことも話せるようになった。
いつも陽気なフィリピ―ノの笑顔の裏には、厳しい暮らしぶりが隠れていた。
「私が小学生の時に、母親が家のお金を全部持って蒸発した。それからは、父がひとりで私たちきょうだい4人を育ててくれた。私も、学校の先生の服を洗濯して小銭を稼いだ」
この先生には、どことなく暗い影がある。幼くして母に捨てられた心の傷は深そう。
フィリピンでは、大卒者の初任給が15000~20000ペソ(約4万~5万5千円)だという。他にも一家の稼ぎ頭として、決して多くない給料で年下のきょうだいを養っている先生がいた。夜はコールセンターで働いている先生も。
ある先生は毎朝、洗い髪を濡らして登校してくる。学校から徒歩5分のアパートを教師仲間8人で借り、2部屋に分かれて共同生活しているという。
別の先生は「親せきが市内にアパートを借りて暮らしていたら、盗賊に室内を滅茶苦茶にされた。だから市内には住みたくない」
と言って、酷暑の中を片道2時間、エアコンなしのジープニー(小型バス)を乗り継いで通ってくる。
ある日のマンツーマン授業で、非常用持ち出し袋(防災カバン)をトピックにディスカッションした。
私が「Alien
attack にでも備えるの? そんなもん必要ないでしょ」
と軽口を叩いても、先生は笑ってくれない。目が怒っている。
「地震や洪水はいつ起きるかわからないんだから、懐中電灯やラジオ、非常食や水をひとまとめにして、ちゃんと準備しなきゃダメ!」
セブ島の山間部にあるその先生の自宅は、2年前にフィリピン中部を襲った台風の直撃で、全壊していた。島の停電は2か月続いたという。
他にも「台風で屋根に大穴が!寝ていたら星が見えた」という先生がいた。
全壊した先生宅への政府の補償金は5000ペソ(1万4千円)だったという。
※ここは英語学校ではありません! |
0 件のコメント:
コメントを投稿