セブ島英語留学では、マンツーマン授業の合間にグループレッスンが混じる。
「初心者クラスに入れられたら、かったるいなぁ」
自分の英語力を棚に上げて、そう思った。
ところがフタを開けてみると、
「あなたのキャリアの、Turning
point はいつでしたか?」
「あなたの人生で、Milestone と呼べる出来事はありましたか?」
ノーリー先生(28歳美人・夫と子どもあり)から、笑顔でそんな質問が飛んでくる。日本語でさえ答えに窮するのに。難しすぎる。
ところが。
「グループレッスンの時間って、唯一の息抜きだよね~」
「そうそう、ホッとする~。半分寝てるかも」
ある晩、クラスメートと行ったハンバーガー店で、女子の会話が聞こえた。
ワ、ワタシが毎回、七転八倒してるっていうのに?!
一見控えめなこの日本女性たちは、いったい何者だ。なかなか教えてくれなかったが、しつこく聞いてわかったその正体は、
「職場のサバティカル制度を使ってオーストラリアに留学。ホームステイしながら猛勉強して、1年で英語教授法の博士号を取った」
「キャリアカウンセラーとして働きながら、心理学の最新の知見を知りたくてアメリカの大学院に入学。現地には行かず、オンラインで全ての単位を取得して卒業した。宿題が多すぎて過呼吸になった」
まさか、こんな方々と机を並べていたとは。
世の中には人知れず、大変な努力をしている人がいる。
「努力の塊」を目の当たりにして思い出したのが、アフガニスタン出張の折、通訳兼助手としてお世話になったジャワット&ファルハド兄弟だ。
自爆テロが頻発する上に、一歩ホテルを出れば全く言葉が通じないかの土地で、彼らは文字通り命綱となって働いてくれた。
2人はきれいなイギリス英語を話した。ラジオにかじりついて、雑音だらけのBBC海外放送を聞きながら、独学で英語を学んだという。
日本に帰れば各種教材が書店の棚を埋め、ラジオ英会話、YouTube、ポッドキャスト、字幕付き映画や海外ドラマにも簡単にアクセスできる。
オンライン英会話だってある。
時間とお金を投資すれば、こうして現地で英語に触れることもできる。
極端な貧困やタリバンの圧政とも無縁の、恵まれた環境にいる私に言い訳はできない。
やるかやらないかは、ひとえに自分次第なのである。
(ある意味、これも過酷な状況だったりして…)
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