快晴の日曜日、首から募金箱をぶら下げてショッピングモールに立った。
よく街角で見かける「赤い羽根共同募金」というやつだ。
NPOの会合に出席した時、募金活動に誘われ、断る理由が見つからなかった。こういう時、ヒマな失業者は逃げ場がない。
結局、2時間立ちっぱなしで声を枯らす羽目になった。
実は、街頭募金という行為はとても苦手。通行人として、素直におカネを入れたことがない。
自分の金が何に使われるのか、はっきりわからないのがイヤ。募金箱を持って近づいてくる人も、時に胡散臭い。
「赤い羽根」を胸に着ける意味も、よくわからない。自分は募金をしたという免罪符に見える。お金を入れない人への差別だ。
汗水たらして稼いだ、自分の金だ。私はケチなので、寄付はよくよく考えてからする。
いくつかの人道援助や教育関係の団体に、毎月クレジットカードで寄付している。それらはみな、アフガニスタンや東ティモールなどに行き、実地で活動を見てきた組織ばかり。先日はそのNGOが、アフガン北部の病院で米軍の誤爆に遭い、スタッフが命を落とした。
収支報告書を見て、寄付の何割が経費に使われ、実際に援助に回っているのは何割かをチェックするのも大切だ。
自分自身が疑い深い人間なので、募金を呼びかける側に立っても身が入らない。明後日の方角を見ながら、小声で「お願いしま~す」と連呼する。
誰も来なくてもよかったのだが、実際は、お金を入れる人が予想以上にいた。
一番多かったのは、幼い我が子に親がお金を握らせ、募金箱に入れさせるパターン。自分で寄付するのは気恥ずかしいのか、子供をダシに使っている。
「たとえ親の言いつけでも、知らないおじさんにおカネを渡しちゃいけないよ。大きくなったら、ちゃんと自分で考えてね」と、内心つぶやく。
おばちゃんたちも、結構入れてくれる。
たまにおっさんも入れてくれる。赤い羽根を渡そうとしても受け取らず、怒ったように去っていく。その気持ち、よくわかる。
若いカップルには、100%、完全無視される。
君たちは正しい。日本の未来は明るい。
後で聞くと、私の所属NPOは、日頃お世話になっている社会福祉協議会の要請で、毎年参加しているという。募金箱を持って立つ人は、「赤い羽根」ではしがらみ、付き合いが多いのだ。
集まった金は、地元で保育園の遊具設置や福祉車両の購入などに使われるらしい。今後街で見かけたら、動員された人を慰労する意味で、少額を寄付する、かも知れない。
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