インベストメント・バンカーは、一生暮らせるカネを稼ぐことを目標にする。
名付けてファック・ユー・マネー。
上司に「くそったれ!」と啖呵を切って、会社を辞めるためのカネだ。
金額にして、3~4億円だという。
「巨大投資銀行」の作家・黒木亮が、日経新聞に書いている。
彼自身も銀行や商社で働き、一生暮らせる蓄えを作って46歳で退職。いまは自分が書きたいテーマだけを書き、ロンドン郊外に暮らしている。
カネで幸せは買えなくても、自由を買うことはできるのだ。
ところでこのファック・ユー・マネー、好景気に居合わせたウォール街の投資銀行家だけが稼げるカネだろうか。
アングロサクソンたちの弱肉強食、一攫千金とは一線を画す地道な方法で、「慎ましく暮らせば」一生食べていけるカネを作る。
それを実践した先人が、日本に2人いる。
日比谷公園を設計した明治期の林学博士・本多静六と、今年91歳になる言語学者、外山滋比古。
2人に共通するのは、若いころから貯金を習慣にして、そのカネを銀行に預けず、株式に投資したことだ。
本多は学者ながら巨万の富を得て、慈善家としても活躍。外山も大金持ちでこそないだが、主義主張を通して40代で転職し、捉われない生き方を謳歌している。
彼らの時代、株で財を成すには幸運も必要だったと思う。個人の投資先は国内に限られ、情報も少ない。時には、買った株が紙くずになったこともあったはずだ。
いまや、時代は変わった。
ポマード頭の橋本龍太郎が首相在任中、命を削って断行した「金融ビッグバン」。私たちに外国株投資への道が開かれた。
そして7年前に登場したのが、VT。
私が「株式投資の最終兵器」と信じる金融商品だ。
Vanguard Total World Stock の略で、NY市場に上場する投資信託。この1本で、新興国や小型株を含め、世界8000社以上の株が買える。
たった60ドル(約7000円)で、究極の国際分散投資ができるのだ。
給料の一部で、雨の日も風の日もVTを買い続ける行為は、私に夢と希望をもたらした。会社に行くのが辛い時期を持ちこたえ、人より早く退職する決心もできた。
若い友人たちも、ぜひVTで「心のファック・ユー・マネー」を作ってほしい。
※でも投資は自己責任でお願いします・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿