2015年5月14日

1000キロ西へ


 初夏の福岡を散歩してきた。

 エアは倒産して再建中のスカイマークで、宿はニューオータニ博多。この組み合わせで2泊3日、2人で5万円。連休明けの平日に旅行ができるのは、自由業の特権だ。

 福岡には5年前まで1年半暮らし、その後も毎年、出張で訪れている。今回は、住んでいた頃とも、東京から仕事で行くのとも違う新鮮さがあった。

 街が明るく、活気がある。若い人が多い。おしゃれをした女性がいる。デパートが何軒もある。画廊がある。個人経営の、ちょっと入りたくなるようなカフェや飲食店がたくさんある。美術館、博物館がある。

 まる1日歩き回っても、全く飽きない。

いま暮らしている町と比べると、人口規模で7倍。その上、中高年が目立つ我が町に比べ、九州各県から若年層が働きにくる福岡は、活気が違う。それでいて東京のように、仕事に疲れてゾンビになっている人、働きすぎて殺気立っている人は見かけない。「ワークライフバランス」が取れている。

福岡城の石垣に、ブルーシートを張って暮らすホームレスの男性を見かけた。ほぼ5年ぶりの再会。元気にしているようだ。明日は我が身かと思うと、サラリーマン時代より親近感を覚える。このホームレスという生き方、ある程度大きな街でないと成り立たない。やはり、都会には自由がある。

転勤で福岡に移り住んだ友人と会うこともできた。それまで10数年間、東京で満員電車と長時間労働の日々だった。こちらでは爽快な早朝ジョギングのち、自転車で公園を横切り、10分で会社へ。夕食も家で食べられるようになったという。ゆとりある生活を楽しんでいる。

退職してよかったことのひとつは、前の会社の人とも本音で話ができることだ。上司と部下の間柄はもちろん、仲のいい同僚でも利害関係はあり、在職中は表面的な話しか交わせないことも多かった。いまは、まったく何も気にする必要がない。

友人の話では最近、転勤を拒否する人がいるという。自分の経験では、転勤は生き方、働き方を見直す絶好の機会だ。持ち家をどうするか、奥さんの仕事のこと、子供の学校などで腰が重くなるのもわかるが、断るなんてもったいない。

私自身も転勤で福岡に来て、まともな生活を取り戻すことができた。と同時に「これで仕事さえなければ・・・」と、妄想がエスカレート。東京に戻ってそれを実行に移してしまった。

自前の国際空港を持つ地方の中核都市。改めて福岡の良さを実感し、次の引っ越し先はこのキーワードで探そうかと思う。いろいろな人が住んでいて、適度にコンパクトで、文化施設が多く、自然に近く、外国にも開かれている街。

福岡以外では、札幌、仙台、静岡、広島あたり。どの街にも住んでみたい。

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