「あなたは sapiosexual でしょ」
セブ島英語留学中、出し抜けに先生に言われた。
初めて聞くその単語の、意味を調べてみる。
…なるほど、確かにその傾向はあるかも!
人は、自分にはない特質を異性に求めるのかも知れない。
発音練習や文法の時間になると、途端に精彩がなくなる生徒(←私のことだ)に、先生方は工夫を凝らした授業をしてくれた。
ボホール島出身の先生とは、「ボホール島の観光公害」に関する記事を題材にディスカッション。別の日は、島の名物カカニン(米菓子)がテーマ(先生は大の甘党だ)。レッスン最終日には、自慢のカカニンを頂いた。
その先生は毎週末、NPOに参加して、学校に行けないスラムの子どもたちを教えている。授業ではその時の様子も、熱心に話してくれた。
この学校で働くフィリピン人教師は、全員が大卒。もし彼ら彼女らが日本に来れば、英語話者としては確実に上位5%に入る実力の持ち主だ。
でもここフィリピンでの収入は十分とはいえず、夜間は米系企業のコールセンターで働く先生もいた。
クレーム対応をしていて、電話の向こうのアメリカ人から罵声を浴びることもあるという。
「英語力だけでは十分でない。なにか niche を探さなければ…」
と、先生は言う。
「1週間の短期留学も可能」「寮は個室完備」をうたうこの英語学校には、20代~50代の社会人が多く集まった。
10年に1度の慰労休暇を使って毎日9時間、1週間みっちり個人レッスンを受け、最終日の夜行便で帰国していく人もいた。
「海外子会社とのズーム会議でもっと発言したい」
「来月海外で行われる学会で、英語で発表する」
皆それぞれ、目標も明確だ。
毎週金曜日に、帰国する生徒のプレゼンテーションと卒業式が行われる。
ある30代男性が、卒業スピーチの途中で絶句した。
頬を涙が伝っている。
彼は勤めていた会社を辞めて、「これからは英語で身を立てる」不退転の決意でセブ島に来ていた。
この島では会う人ごとに、彼我の覚悟の違いを思い知らされる。
Cebu ocean park, 2024 |
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