2024年4月19日

褒めて伸ばす 褒めれば伸びる

 

セブ島の英会話学校で接するフィリピン人の先生は、本当に熱心で優しい。

「あなたの th の発音はすばらしい!聞いてて気持ちいい」とか、ちょっとしたことでもベタ褒め。ほとんど褒め殺しに近いが、悪い気はしない。

同じアジア人同士、言葉以外でも通じ合えてしまう部分がある。「まず言葉ありき」の欧米人や、同じアジアでもインド人相手だと、こうはいかない。

まぁ「以心伝心」が通じてしまうのは、必ずしも英語学習に適した環境でない気がするが…

 

名古屋で塾を経営する『ビリギャル』の著者・坪田信貴氏は、1000人以上の子どもを指導した経験から「厳しく接しても人間は育たない」と断言している。

(以下、日経ビジネス電子版の要約です)

・部下を厳しく叱りつける上司が一時的に成績を上げることはあるが、ほめて伸ばす上司とどちらが正しいかというと、答えはほめて伸ばすタイプの上司。暖かく見守らないと、子どもも部下も育たない

・叱りつけてばかりいると、部下は苦手意識を持つ。それでも部下は上司の言うことを聞こうとするが、苦手な人の言うことは無意識に拒絶してしまうので、その結果ポカしてしまう

・私も叱ることはあるが、それは信頼関係を築いてから。いきなり叱りつけたり、説教をしたりすれば苦手意識を持たれて、それで終わり

・子どもは、本気でその子の能力を信じてあげれば全力で返すもの。これは子どもだけでなく、部下もそうだし、人はみんなそう

・一方で、疑うと能力は下がる。悪意を持った人に出会うと、人は自分を隠そうとする。リラックスした状態でなければ、本当の力は発揮できない

・人間は達成したいという欲求よりも、失敗を回避したいという欲求の方が2倍強い。「おまえダメじゃないか」と言われると、それを回避しようとするから、余計うまくいかなくなる

・上司が「お前またミスして。何度言ったら分かるんだ」と言ったとして、では何度言ったら分かるのか。答えは500回。ちゃんとデータを取って調べた。3回か4回言ったぐらいで分かるはずがない

・上司が偉そうにしたりなじったりするのは自分の権威効果を高めようとしているのだろうが、逆効果だし悪循環。『釣りバカ日誌』のように、釣りについては部下を師匠として接すれば、部下も信頼してくれる

以前は辛いことがあっても将来は金持ちになれる、幸せになれるという希望を持てた。でも今はそういう希望が持ちにくい時代。努力しろ、きついことをやれと言われても先が見えないから、厳しく接する方法ではうまくいかない

・ダメな子どもや部下はいない。いるのはダメな指導者だけ

Chino Japan, April 2024


 

0 件のコメント:

コメントを投稿

肉食女子

わが母校は、伝統的に女子がキラキラ輝いて、男子が冴えない大学。 現在の山岳部も、 12 人の部員を束ねる主将は ナナコさんだ。 でも山岳部の場合、キャンパスを風を切って歩く「民放局アナ志望女子」たちとは、輝きっぷりが異なる。 今年大学を卒業して八ヶ岳の麓に就職したマソ...