「高度5000mで、生まれて初めて頭痛になりました」
この春一緒にヒマラヤ登山をした、母校R大学山岳部の女子が驚いていた。
日常的に偏頭痛に悩む人が多い中、20年も頭痛知らずとはうらやましい。
そういう私も、飲まされて二日酔いした学生時代と、性懲りもなくヒマラヤに行って高山病になる以外、頭痛とは無縁。でもその辛さは、よくわかる。
高山病も二日酔いも、頭痛は相当きつい。あまり同情してもらえないけど。
脳神経外科の権威、森本将史・横浜新都市脳神経外科病院院長によると、昔と生活様式が大きく変わった現代は、脳には非常に厳しい時代だという。
(以下、日経ビジネス電子版に載った森本院長インタビューの要点です)
・電車内で下を向きながらスマホをいじる時、重い頭を首の筋肉だけで支えているので、筋緊張の状態が延々と続く
・さらにスマホは、常に交感神経をオンにさせる。交感神経がオンになると血管を収縮させ、心拍数も上がる。常に興奮状態になっているから、疲れる。こうした要因で頭が痛くなる
・寝る前のスマホもよくない。交感神経が優位になって、睡眠の質が著しく低下する。興奮状態のままで、ぐっすり眠れるわけがない
・脳梗塞の原因は、過度な飲酒や喫煙、高脂肪の偏った食生活、不規則な生活、そしてストレス
・疲れたなと思ったら、必ず十分な休息を取り、適度な運動をする。「何だかダルい」「疲れが抜けない」という状態を継続させてはいけない。ストレスフルな生活を長く続けていたら、いつ脳梗塞が起きるか分からない
・水分補給も大事。細胞の70%は水分なので、細胞をきれいにしておこうと思ったら水分を取るのが一番。酒を飲むときは、水も一緒にガンガン飲む
・動脈瘤の手術を受ける患者の7割は無症状。奥さんに言われて渋々検査を受けたら、破裂寸前の動脈瘤(りゅう)が見つかって即入院、手術という人がいた。40歳を過ぎたら、1度は脳ドックを受けてほしい
・また、コロナ禍で認知症の人が激増している。人に会えなくなってコミュニケーションの機会が減ったのは、脳にすごく悪いこと
・直接人と会って話す時、人は頭をフル回転させている。無意識に相手の表情や声のトーンやしぐさを読んで、瞬時に対応して言葉を選んでいる。いつまでも脳を若々しく保つために、コミュニケーションはとても大切
・といっても、同じことの繰り返しはダメ。母は70歳まで塾の先生をしていたが、それでも認知症になった。他のことはせず、そればかり続けていたから
・常にアップデートしていく気持ちがないと「同じことの繰り返し」になる。好奇心を持ってチャレンジすることが大切
・「分からない」「面倒くさい」という言葉が増えてくると危ない。人間は、分からない、面倒くさいことをしないと頭を使わない
Ramdung Peak BC, Nepal |
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