病院の看護助手として働く私の給料は、時給933円だ。
この4月に昇給したが、それでも県の最低賃金と同水準。
ランチタイムに院内の売店で牛丼弁当とサラダと豆乳を買い、レジで1000円札を出したら足りなかった。
物価高の折、この労働量でこの給料は…
なんだかなぁ、という気はする。
去年までいた病棟では、1日に患者さん20人の入浴介助をすることもあった。夏場はサウナそのものの機械浴室で、けっこうな地獄を味わった。
現在は念願の緩和ケア病棟に配属され、毎日とても貴重な経験ができている。自分の場合は本業が別にあり、この仕事に生活がかかっている訳でもない。
それでも、この時給は腑に落ちない。
廊下で会うたび「給料が安すぎる!」と怒るのは、看護助手仲間のHさん。
倹約家の彼女は、毎朝4時に起きて、家族3人分の弁当を作っている。
先日、スタッフ休憩室で弁当を食べているHさんの背中を見かけた。
おかずがなんと、丸い小さなカップ入りの納豆!
なんとなく声を掛けられず、素通りしてしまった。
別の看護助手Yさんは、勤続24年のシングルマザー。
ずっとパート待遇だったので、月給はいまだに手取り15万円だという。
この春、病院から退職金名目の一時金が振り込まれた。その額、140万円。
Yさんはこのお金を、うわさに聞く「NISA」で運用してみようと思っている。
夕方5時、田畑に囲まれた病院からクルマを飛ばして、森の家に帰る。周りは別荘地なので、いわゆる「富裕層」が多い。
近所の瀟洒なログハウスに住むMさん夫妻の夫は、アメリカ出身の金融アナリスト。シンガポールの大富豪が運営するファミリーオフィスで、専属の投資顧問をしている。
時々、Mさん夫妻に、留守中のドッグシッターを頼まれる。愛犬ジュニパーちゃんのエサは、北海道から取り寄せた鹿肉だ。
最近、夫妻の一人息子が大学を卒業し、ニューヨークのグリーンコンサルティング・ファームに採用された。
社長はタイ人で、初任給は年俸9万ドルだという。
あちらでは、労働市場の入り口に立ったばかりの22歳がもらえる給料が、現在の円ドルレートで月額100万円超!
ニッポン人の賃金、安すぎませんか?
Rolwaling valley, Nepal 2023 |
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