看護助手から看護師への申し送りに、こんなセリフがある。
「○○さん、3から4、こぶし大!」
ヒント① おむつ交換の時に交わされます。
…そう、うんちの形と量のことだ。
「ブリストル・スケール」という国際的な基準があって、1がコロコロ便で、7が水様便と定められている。3から4なら、とってもいいうんちだ。
下顎呼吸が始まった寝たきり患者さんのうんちは、墨汁みたいだった。
「こんなうんちが出るようになったら、もうお迎えが近いのよ」
看護助手の先輩が、そっと教えてくれた。
先輩たちは、おむつを「アテント」と呼ぶ。アテントはエリエール社製紙おむつの商品名で、3階南病棟の器材室に山と積まれている。患者さんによって4回吸収、8回吸収、12回吸収を使い分けるのだが、さっぱり覚えられない。
紙おむつの国内最大手は、ユニ・チャーム。
2012年、大人用紙おむつの売り上げが、初めて子ども用を追い抜いた。
当時すでに1590億円あった市場規模は、年々拡大している。
つい最近知ったことだが、「メイプル超合金」のツッコミ役・安藤なつさんは、親せきがデイサービスを経営していた縁で、中学時代から老人介護をしていたという。
おむつ交換やトイレ、入浴、食事の介助、口腔ケア、ひと通りこなした。
そして高校生になると、お笑いと介護を同時進行でやるようになる。
「介護は大変とか、そういうイメージが付く前にその世界に行ってしまった」とのことで、お笑いと介護、両方を楽しんでやっていたという。
高校を卒業した安藤さん、今度は深夜の巡回介護を始めた。
「在宅介護の利用者さんのおむつ交換と安否確認をするという。一晩で15軒ぐらい回っていました」
「(介護は)やっぱりご家族の睡眠時間を削るじゃないですか。それで、ヘルパーが入って睡眠時間を確保できるようにする、そういう仕事でした」
その家のご家族から、鍵を預かって入って…
ちょっとサンタクロースみたいだ。
そしてプレゼントの代わりに、おむつを交換して差し上げる。
「鍵を預かって夜中に知らない、赤の他人がおむつ交換に入ってくるのって、めちゃくちゃハードルが高いと思うんですよ、でもそこを信頼して任せてくれるというのはすごくうれしかったです」
(「」部分は日経ビジネス電子版の安藤さんインタビューより)
Kinugawa-onsen, Japan |
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