株式投資を生業にする人の中でも、長期投資家はヒマな人種だ。
特に市場が乱高下している今は、嵐が過ぎるまで、ひたすら死んだふり。
滅多にトレードをしないので、ネット環境が悪くても平気。でも家族のリクエストで、森の中に光回線を引くことにした。
プロバイダーを介してNTTに電話し、住所を告げると「そんな山の中に?・・・この忙しいのに」という沈黙。工事日は、2か月も先になるという。
そして2か月後、大きなハシゴ車でやってきたNTTの人は、我が家をひと目見て言った。
「うわあ!この辺、電柱がないじゃないですか!いちばん近くの電柱は・・・えっあそこ?木の枝が邪魔で、これじゃ回線を引き込めません、まずは木を伐採して、それから改めて電話ください」
あっという間に帰って行った。
木を切れと言われても・・・あの辺はお隣さんの森だし。
ヒカリ生活は夢と散り、再び情報過疎な生活が続くことに。
JR東日本の「その先の日本へ。」や、サントリー「モルツ球団」などの傑作CMを生み出し、先日亡くなったクリエイティブ・ディレクターの岡康道氏。かなりプリミティブな問いを発する人だったらしい。
「なあ、どう思う? 満員電車って狂ってないか?」
「狂ってるけど、乗らないと学校に来れないしな」
「でも、乗ってる全員が我慢してるっておかしくないか?」
(小田嶋隆との対談「人生の諸問題」より)
8月9日付読売新聞によると、満員電車は厳密には「違法」らしい。1900年制定の鉄道営業法では「乗客は座席に限って乗車することができる」と規定し、事業者が強制的に定員を超えて乗車させた場合は、罰則もあるという。
岡氏の疑問は真っ当なのだ。また、こんな問いも発している。
「8月ってこんなに暑い必要あると思うか?」
「別に必要で暑いわけじゃないしな」
「そりゃそうだけど、全世界が全部暑いわけじゃないぞ」
「どういう意味だ?」
「だからさ。探せば涼しい場所もあるっていうことだよ」
「まあな」
「だろ? 涼しい場所に行かないのってただの間抜けだと思わないか?」
コロナ禍の影響で、東京名物「満員電車」があまり見られなくなったという。ではこのままテレワークが普及すれば、涼しいこの森にも人が増えるだろうか。今のところ、その兆候はない。
こんな所で暮らせるのは、長期投資家だけ?
今朝の玄関先は、気温16度。
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