2020年1月4日

砂上の楼閣


 最近入会した「オンライン英会話」は、先生全員がフィリピン人だ。

毎朝、初めての先生を予約して、日本とフィリピンをSkypeでつなぐ。

「会社を5年前に辞めて、いまは投資家をしています」と自己紹介すると、「ワ~オ! 羨ましい! でも私、株は怖いな」

 ほとんどの先生が、日本の友人たちと全く同じ反応をする。



 確かに、株は怖い。

トランプ大統領のツイートひとつで、世界中のマーケットが動揺する。「自分が寄って立つこの株式市場は、実は砂上の楼閣なのか?」と思ってしまう。

でも何もせずにいると、やがて株価は、その本質的価値に収れんしていく。

 株式市場が生み出す利益は、「恐怖に対する報酬」なのだろう。



米中貿易摩擦、ブレグジットとイギリスの政権交代、サウジ油田の爆破などで、市場が乱高下した2019年。でも1年間を通じた騰落率は、

先進国株式 +25% 新興国株式 +15% 日本株式 +17% 外国債券 +8% 日本債券 +0.7% 外国REIT(不動産投資信託) +20% 日本REIT +26%

終わってみれば、すべての資産クラスが値上がりした。私も無事に生き延びて、投資家6年目の正月を迎えることができた。



国別では、去年もアメリカ株が+29%と、相変わらず強い。

200年の歴史を持つニューヨーク市場は、大恐慌や2度の世界大戦、ITバブル崩壊、同時テロを挟んで、なお右肩上がり。去年も史上最高値を更新した。

選挙のたび、なりふり構わず株価を上げようとする為政者。株価を上げなければ、すぐクビになる企業経営者。そして、大切な老後資金を株に託して、真剣に見守る米国民。これだけ役者が揃えば、上がらない方がおかしいのかも。



アメリカの会社は、労働者より株主が大事。

去年、アマゾンの倉庫で働き、思い知った。

私の時給は、国が定める最低賃金プラス、たったの9円。その分、儲けを株主に還元する。アマゾン株は、上場以来20年間で1300倍になった。

しかも、EC市場でこれだけの大帝国を築きつつ、早くもクラウドサービスを次の収益源に育てている。投資家にとっては、とても魅力的な会社だと思う。



ネット証券に口座を作れば、アマゾン株は、スマホで簡単に買える。

今なら1株、1874ドル(約20万円)。

さあ、あなたもアマゾンの株主に・・・なりますか?

 少なくとも、アマゾンの倉庫で働くよりは、賢い選択かと。


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