トヨタ自動車の豊田章男社長といえば、豊田家3代目の御曹司。記者会見の姿からは、およそ面白味のない人に見える。
その豊田社長が今年、米バブソン大学の卒業式で演壇に立った。さぞイタイ姿かと、YouTubeで見た。堂々とした、素晴らしいスピーチだった。
跡継ぎ息子であることを自虐ネタに、笑いを取る。ノリのいい話ぶりに、満場の学生が湧く。しまいには、スタンディングオベーションが起きていた。
エライと思ったのは、約13分間の英語スピーチの間、常に学生たちの目を見て話したこと。あのスティーブ・ジョブズの、伝説的なスタンフォード大卒業スピーチでさえ、ジョブズは手元の原稿を読んでいた。
英語で話し始めたとたん、人格までアメリカンになる人がいる。豊田社長の場合は、むしろ日本で羊の仮面を被っている。
そう感じるほど、溌剌としたユーモア溢れるスピーチだった。
その豊田社長の努力を見習おうと?入会した、オンライン英会話。
授業料3190円を前払いすると、毎日1レッスンずつ受けられる。気合で31日連続して受講したら、レッスン単価が102.9円になった。
ケチな英語学習者には、「授業料前払い」が最強のモチベーションだ。
キャンペーン期間が終わった翌月から、授業料は2倍に上がる。それでも、しつこく毎日レッスンを受ければ、1回当たり単価は200円少々だ。
仕事や学業に忙殺される平均的日本人が、週2、3回しかレッスンを受けられないことを前提に、オンライン英会話ビジネスは成り立っている。閑暇だらけの変人が毎日レッスンを受けたら、この学校は破産する。
そうは言っても、授業料3か月分前払いの、元を取らせて頂かないと。経営が傾かない程度に、レッスンがんばろう。
フィリピン各地からSkypeで教えてくれる先生は、ほとんどが大卒者。英語を生かして、ロンドンやシンガポール、ドバイで働いたと話す先生達がいた。
またフィリピン国内で、米系企業のコールセンターに勤めていた先生も、何人もいた。アメリカ時間に合わせて、夜10時から翌朝6時まで働いたという。
体調を崩して2年で辞めたというA先生は、「アメリカ人は人種差別主義者よ」。哀しみと諦めの口調で言う。40代のA先生は、訛りのある英語を話す。そのせいで、不当な扱いを受けたのかも知れない。
同じくコールセンターから英語講師に転じた、20代のB先生。
「あなたジャーナリストだったの?実は私も、報道番組のアンカーパーソンになるのが夢だった。あの頃は、よくメディア関係の講義を受けてたなあ」
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