都会の小学生を対象にした、3泊4日のサマーキャンプ。
八ヶ岳を舞台に、登山や秘密基地作り、オリエンテーリング、木登り、ボルダリング、バーベキュー、テント泊など充実した内容で、毎年行われている。
髪が白かったり薄かったりするキャンプリーダーに、この夏16歳のイケメンが加わった。
身長178センチ、ハーフのふみ君。来年から南米サッカー留学するという。
サマーキャンプ初日、子ども用のテントを張り終えたふみ君の両腕に、女の子3人がぶら下がっている。風に乗って甘い声が聞こえてきた。
「ねえねえ、一緒に寝ようよ~」
人生一度でいいから、女性3人にすがりつかれて、そう言われたかった。
キャンプ2日目はオリエンテーリング。地図と磁石を頼りに森を歩き、できるだけ多くのフラッグを見つけて点数を競う。第6班リーダーの私は、水分補給用のペットボトルを手に、7人の子について歩く。
「ねえもっとゆっくり歩いてよ。班行動でしょ!」「そっちが遅いんだろ!」
歩き始めて10分で、トモちゃんとハカセがけんかを始めた。小学生同士とはいえ、ど迫力。何とか、この緊張を緩和しなければ。
「まあまあトモちゃん、水でも飲もう」(笑)
子どもは回し飲みを嫌がるので、ペットボトルを高く掲げ、トモちゃんの口めがけて水を注いであげた。サッカーのテレビ中継で選手がやる飲み方だ。
でもユース選手のふみ君によると、プロでも喉が潤う程度で、ひたすらユニフォームが濡れるだけらしい。案の定、トモちゃんの口から水が溢れて、服がびしょ濡れに・・・
悲鳴を聞いたハカセたちが集まってきた。そして、「ボクも!」「私も!」誰がうまく飲めるかを競い、みんなで口を開けて待っている。ヒナを養う親ツバメになった気分。
キミたちのツボは、そこだったのか。それまでバラバラだった班が、一気に団結した。
でも水飲み休憩ばかりしていたら、競技がおろそかに。結果は…最下位。
そして夜のバーベキューは、小枝を集めて火をつけ、太い薪を燃やすまでが難しい。マッチを見たこともない今の子に代わって、各班リーダーが仕切る。
もし私が火を起こせなければ、周囲がうまそうに食べている中で、かわいい7人を飢えさせることになる。このプレッシャーは記者時代の、〆切30分前になっても1面用の写真が撮れていない状況と同じか、それ以上だ。
幸い火は点いた。でも、薪をくべすぎた。鉄板の油に火が燃え移り、あっという間にソーセージが黒焦げに。野菜も全半焼。子どもたちの視線が痛い。
「実はこんな事もあろうかと・・・」まさにその時、予備のソーセージを手に、キッチンスタッフのきみ子さんが現れた。後光が差して見えた。
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