ヒマラヤと素朴な人々の国、ネパールへ。
今回は中国国際航空(エアチャイナ)で飛んだ。
東京からカトマンズまで、往復1万キロで4万8千円。キロ当たり5円を切る、圧倒的な安さ。
エアチャイナへの、ネット上の評判はよくない。
日本語ネット社会は「嫌中」が大流行り。よくもここまで、中国政府と一般企業、市民を混同できるもの。その材料はマスメディアが与えている。
エアチャイナへの酷評も、偏見と先入観に満ちたもので、信じるに値しない。
たぶん。
カトマンズまでは北京と成都で乗り継ぎ、24時間かかる。その間、中国を垣間見られる。むしろありがたい。
羽田空港のカウンターで、大きな荷物をカトマンズまでスルーチェックインにしてもらう。出発時刻に機内へ乗り込もうとすると、地上職員が大勢の乗客から私を見つけて駆け寄ってきた。
「お客さまの荷物をカトマンズまでスルーにすると、途中でなくなる可能性大です。タグを作りなおしましたので、北京と成都で引き取って、そのつど次の便に預けなおして下さい」
なんと。でも正直といえば正直だ。
巨大な北京空港では、3時間ある乗り継ぎ時間が、入国審査~国内線ターミナルへの移動~再チェックイン~セキュリティチェックでつぶれた。よく歩いた。
次の成都行き国内線は満席で、中国人が99%。大声で騒ぐ団体さん、負けじと声を張り上げるキャビンアテンダント、そしてひっきりなしに流れる大音量の機内アナウンス。
エアチャイナの旅に、耳栓は必須アイテムだ。
下を向いてイヤホンの音楽を聴いていたら、客室乗務員に何か注意された。機内での会話といえば「Coffee, Tea, or Me?」等々、定型ばかり。ヘブライ語でもスワヒリ語でも見当がつきそうだが、この場面での中国語はわからなかった。
成都で夜を明かし、いよいよ最後の区間、カトマンズ行き。カウンターの係員が、座席を「後方左窓側」から「前方右窓側」に替えてくれた。
カトマンズ空港でビザ申請窓口へのダッシュに負けると、長い行列に並ぶことになる。真っ先に飛行機を降りたいので、この位置はありがたい。
到着1時間前、カメラを構えて待つ。やがて、峩々たるヒマラヤの山並みが見えてきた。真っ白い雪煙をたなびかせているのが、世界最高峰エベレストだ。高度1万メートルを飛ぶ飛行機から、8848メートルの頂が近い。
成都の職員はこの眺めのために、黙って席を替えてくれたのだろうか。
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