あ~、またやってしまった。
サマーキャンプ3日目のプッツン。
今回の現場は男子テント。その朝も、テント内はありとあらゆるモノが散乱して、足の踏み場もない。あと30分で迎えのバスが来るというのに。
早く全員のリュックに荷物を詰めて、テントを畳まなくては…
あぁそれなのに、ギャングエイジの悪ガキどもは、今日もいたってマイペース。「このパジャマ誰の?」「この懐中電灯は?」と聞いても、そっぽ向いて「ぼく知らない」。
そのうち1年生のあおくん(ひとりっ子)が、
「ボクちゃんの帽子がない~」と騒ぎ始めた。
「そのうち出てくるから、まず他のものから整理しようよ。このタオル誰の?この下着は?」「ボクちゃんの帽子どこ~? 帽子がないよ~、帽子帽子!」
他の男子は、ガン無視。こっちは寝不足と疲労でフラフラなのに…
つい、大声が出た。
テントの外で同僚が、「ホトケの宮さんがキレた」と喜んでいる。
(おんどれら何さらしとんねん! 下手に出りゃーつけ上がりやがって、なめとんのかワレ! いてこましたろかー!)
と、河内弁でまくしたてたら、さぞかしスッキリしただろうな~
でも私ごときが怒ったぐらいで、まったく効き目なし。そもそも、自分のことは自分でやろうという発想がない。家では全部ママがやってくれるのだろう。
結局みんなのママに成り代わって、彼らの荷物を全部ひとりでパッキングする羽目になる。
いつも他のスタッフに、「宮さんは子どもに優しすぎる」と言われる。
この前は小6の女子に、「宮くんは子どもに優しすぎる」と真顔で諭された。
そんなこと言われても、上手な怒り方がわからない。
子どもへの接し方って、本当に難しい。
サマーキャンプでは毎回、ホームシックになる子が出る。
日が落ちた頃、「ママに会いたい~」と言って泣き出す。男の子が多い。
こういう時は、我ながら冷淡だ。
何しろこちとら、生まれも育ちも日本国外。小学生の頃は、粗野で不潔なフ〇ンス人のガキどものサマーキャンプに、1か月単位でぶち込まれた。
「あ? たった2泊でママに会いたいだ? 勝手に泣いてろ」なのだ。
でも女の子がさめざめ泣いていると、話は別。放っておけない。
女性スタッフによると、半分は気を引くためのウソ泣きだというが…
あれが演技だとすると、女の子って生まれながらの名女優!
喜んで、だまされたい。優しく慰めてあげたい。
扱いが不公平?
世の中、そんなもんでしょう。
Yatsugatake Japan, summer 2024 |
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