2024年8月2日

好奇心夫と、感受性妻

 

「オーストラリアで英語教授法の博士号を取った小学校教諭」

「働きながらアメリカの大学院にオンライン留学して、修士号を取ったキャリアコンサルタント」

3月にセブ島英語留学した時の同級生は、超がつくほどの努力家揃いだった。

そして、この人も。

先日関西から遊びに来てくれた同じセブ仲間の女医ミワコさんは、大学の薬学部を出ていったん会社勤めしたものの、一念発起して医学の道へ。

薬剤師と医師、ダブルで資格を持っている。

今回、夫のエイイチさんにも会えた。彼も先月、同じセブ島の学校で4週間、英語漬けの毎日を送ってきた。

留学初日に「あなたの英語学習の目的は?」と聞かれて、

「いやぁ、妻に強く勧められたもので(仕方なく)…」と答えたそうだ。

3人で森を散歩していたら、エイイチさんが電光石火の早業でセミの抜け殻を3つ見つけ、大事そうにタッパーにしまった。

エゾハルゼミ、という種類だそうだ。

エイイチさんは、昆虫や動物が大好き。今年は、17年に一度しか孵化しない珍しいセミを追って、米イリノイ州の森に分け入ってきた。会社勤めの傍ら、これまでにガラパゴス諸島やマダガスカルにも足を延ばした。

そしてこの冬、彼は南半球をぐるりと回る世界一周の船旅に旅立つ。誰もが名を知る有名企業の社員だが、100日間の休職が認められないと知るや、あっさり退職届を出してきた。

「地球温暖化で風景が変わる前に、この世界を見ておきたい。チャンスは今だけですから」

妻のミワコさんは、「私が働いて稼ぐからいいよ~」と、悠然としている。

今まで「セミ?うるさいなぁ」ぐらいの認識だったが、目をキラキラさせながら話すエイイチさんを見ていると、こちらまでワクワクする。

その翌日は、森の音楽堂へ。3人で葉加瀬太郎氏のコンサートを聴いた。ミワコさんが大ファンで、ファンクラブにも入っている。

今まで「ハカセタロー? あの、もじゃもじゃ頭のおじさんかぁ」ぐらいにしか思ってなかったが…

ステージから3列め、生演奏で聴く「アナザースカイ(ANAの機内曲)」や「情熱大陸」は、想像をはるかに超える素晴らしさ。葉加瀬さんが奏でるバイオリンの澄んだ音色に、涙が出た。

いくつになっても、好奇心と感受性を失っちゃあダメですね。

ミワコ夫妻から、大切なことを学んだ。

Cebu, Philippines 2024


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