サマーキャンプ3日目の、爽やかな朝。
1年生の男の子が「パンツの中にうんちしちゃった~」と、いきなり爆弾発言! 大慌てで替えのパンツを探して彼のリュックを漁ると、中からオムツの束が出て来た。
オムツ交換までぼくらがやるのなら、追加料金もらいたいよな~
そんなハプニングはあったものの、今年も150人全員、無事に親御さんの元に返すことができた。うんちは漏らしても、この国にとって、子は宝である。
ビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一氏が、「国家滅亡級の少子化が進む根本原因」と題してプレジデント・オンラインに寄稿している。
御年81歳の大前さん、相変わらず冴えてる~! 一部を紹介します。
・戦前の日本では、きょうだい10人という家庭が珍しくなかった。子どもをたくさん産んで早く働かせようとした。子どもは家計を支える労働力だった
・今、子どもは親の生活を支える存在から、自分の将来のために親の金を使う“金食い虫”に変わった。子どもが投資対象になれば、産む人数を絞って一人当たりの投資額を集中させた方が有利。だから先進各国で少子化が進んだ
・人口はそのまま国力につながる。生産年齢人口が減れば、国家は衰退する
・フランスの合計特殊出生率は1.83、スウェーデン1.66。日本は1.30
・日本の低出生率を考える上で避けて通れないのが、未婚化。未婚化が進んだ背景の一つは、男女間の経済格差の縮小
・女性は、自分より年収が150万円程度多い男性との結婚を望む傾向がある→女性から見れば「希望に沿う相手がいない」、男性から見れば「女性に相手にされない」という状況
・日本では、男性の方が高収入でなければ格好がつかないという意識がいまだに根強い。女性が多く稼ぐと、夫婦関係もうまくいかなくなる。その意識を根本から変えないと、未婚化は改善しない
・またフランスやスウェーデンでは、生まれてくる子の5~6割が婚外子(婚姻関係にない男女から生まれた子)。それに比べて日本は2%。この国には、婚外子への差別がある
・フランスやスウェーデンは戸籍制度を撤廃した。父親が誰であろうと、母親が子を産めば親子関係は証明できる。一方、日本の戸籍制度は慣習的に父親中心で、未婚のまま父親の戸籍に入らなければ法的に不利を被り、社会的にも差別される→「非嫡出子」
・移民大国アメリカの合計特殊出生率は1.64。ドイツ、カナダ、オーストラリアも、移民の受け入れで出生率を下支えしている
・自民党の一部や右翼勢力は国粋主義的で、移民の受け入れに反対している。父系社会と日本人の純血を守れれば、少子化で国が滅んでもいいと考えている
・政府は「異次元の少子化対策」を言う前に、父系社会の象徴である戸籍制度を撤廃する「ごくふつう」の少子化対策から始めなくてはならない