イギリス人家庭でのホームステイを終えて、ロンドンから大陸に渡る、その朝のこと。
バックパックを背負って地下鉄ピカデリー線の駅に着くと、入り口が鉄のシャッターで閉ざされている。
「???」 脳内が、クエスチョンマークだらけになった。
もし東京の地下鉄が突然、通勤時間帯に運休したら、大混乱間違いなしだ。
でも、駅周辺は閑散として、平和そのもの。よくあることみたい。
近くでのんびり立ち話をしていた女性に聞くと、ロンドン中心部に向かう代行バスが出ているという。
でも、そのバスがいつ来るかわからないし、途中の渋滞も心配だ。
予約した国際列車ユーロスターの出発時間が迫る。
幸いロンドン滞在も長くなり、ある程度の土地勘があった。とりあえず路線バスで別の地下鉄駅に向かうと、その駅から市内に向かうエリザベス線は、平常通り動いていた。
やれやれ、助かった…
見送りに来てくれた某新聞ロンドン支局長のKさん曰く、
「実はエリザベス線も、車両故障でよく止まるんですよ。よかったですね~」
一度は乗ってみたかった、国際列車ユーロスター。
ロンドンからドーバー海峡をトンネルで越えて、パリやブリュッセルなど大陸の各都市を結んでいる。
ロンドン市内の駅でパスポートチェックを受け、早くもフランスの入国印が押される。その先のキオスクで売られるサンドイッチは、すでにポンドでなくユーロ価格だ。
先頭車両は流れるような流線型で、新幹線よりカッコいい。でも…ドロドロに汚れている。たぶん製造以来、一度も洗車してない。客車の窓も、外の景色が見えないほどの汚れようだ。
乗客をA地点からB地点まで運ぶのに、いちいち車体を洗う必要などないと考えるのか? でもここまで汚ないと、空気抵抗が増えますよ絶対。
このユーロスターも、昨年末にトンネル内が漏水して運休してしまい、クリスマス休暇を過ごす乗客で大混乱していた。
国際結婚してイギリスとフランスに30年暮らす友人が、
「日本に一時帰国するたび、電車が時間通り来ることに感激する」
と、しみじみ言ってたっけ。
無事に大陸に渡り、次にベルギー国鉄のローカル線に乗った。車体が派手な色のスプレー塗料で落書きされ、まるで「走るストリートアート」だ。
検察に回ってきた若い女性車掌の鼻(小鼻の脇でなく、鼻っ柱のど真ん中)に、大きめのピアスが光っていた。
う…牛…?
思わず、失礼極まりない連想をしてしまう。
堅苦しい制服制帽姿とのミスマッチが、笑えた。
Gare du Midi, Bruxelles 2024 |
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