2023年9月8日

現代人の脳は20万年前のまま

 

わが家は市街地から車で30分、標高差800mを登った森にある。

周りは、夏の別荘地。寒くなると、近所に誰もいなくなる。

今まで、こんな山奥にも新聞が届いた。でも、ついに販売店が音を上げた。「お宅への配達をやめます。今後は郵送でお届けします」と通知が来た。

それからは、月曜日の新聞が水曜日の午後に届くようになった。週末は郵便配達がないから、土曜日の新聞が翌週の水曜日に届く。

もともと、テレビは持っていない。

世捨て人生活も、いよいよここに極まれり…

 

遅いインターネット経由で読む日経ビジネス電子版に、「人類の体との脳は20万年前のまま」という面白い記事があったので、簡単に紹介します(筆者は長谷川 眞理子・前総合研究大学院大学学長)。

・私たち人類は約20万年前に誕生した。都市文明が発展したのは、あくまでここ1万年。19万年はずっと狩猟生活を続けてきた

・現代の先進国に暮らす人も、アフリカの農耕民族も、南米の奥地で狩猟採集を続ける人も、20万年前のヒトと遺伝子構成は同じ

20万年前のヒトの赤ちゃんをタイムマシンで現代に運び、先進国の家庭に養子として迎え入れれば、現代人と同じように育つはず

・変化したのはあくまで技術で、私たちの体や脳ではない。技術は皆に共有され、次の世代に引き継がれて改良を重ねていくから、速く進歩する。一方、人の感情や欲求は20万年前のまま

・人工知能(AI)が登場しているように、社会は技術の進歩によって変化する。生き物としての本来の人類と現代社会との大きな乖離が、精神疾患や生活習慣病などのひずみを生んでいる

・狩猟採集社会では、日の出と日の入りと季節の変化だけが生活のリズムを作る。人々は好きなように振る舞い、気ままに暮らしていた。今は時計とカレンダーに制御され、決まった時間に学校や会社に行き、決まった時間に帰る生活

・一日中座って勉強や仕事に向き合うのは人間本来の姿ではないのに、そうした現代社会の枠にはまることができない人は、精神疾患があると見なされる

・狩猟採集社会では砂糖や塩、脂肪はなかなか手に入らなかったから、食べられるときに多く摂取できるよう「おいしい」と感じるようになった。現代は食べ物が豊富なので歯止めがかからず、生活習慣病になってしまう

・環境が早く変化しすぎたせいで、人類の方が追い付いていない

・私たちの体と脳は20万年前のまま、という視点を持つべき。技術が生み出した現代社会との間に生じるギャップをつぶさに見ていけば、対症療法ではなく、より自然で根本的な解決策が見つかるはず

Chino Japan, summer 2023


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