東京の会社で働いていた時の同僚Fさんが、近所にセカンドハウスを買った。
森の小径を歩いて10分ほどの、目と鼻の先だ。以来、ひんぱんにBBQパーティーに呼んで頂いている。
Fさんは当時、女性報道カメラマンの草分け的存在だった。彼女が若くして退社して以来ご無沙汰していたが、ここ信州で30年ぶりに交流が復活。
こんなこともあるんだなぁ。
先日のBBQでは、当時の社員旅行の話が出た。
「あれはひどかったよね~」「本当に!」
その会社では、社員旅行をなぜか海軍用語で「全舷」と呼んだ。
泊まりがけで有名温泉地に繰り出し、夜は大広間に一同会して、飲めや歌えの大宴会。酒の席では無礼講とばかり、浴衣をはだけた上司が醜態をさらした。
しかも女子社員がいる前で、平気でコンパニオンをはべらせる。
私は目撃してないが、ストリップが演じられた年もあったという。
女性陣はたまらず別室に避難。まとも(?)な神経を持つわれわれ若手男子社員(←当時)にとっても、全舷は拷問だった。
しかも家族に不幸でもない限り、不参加は許されない。休日召し上げ。
ある年、全舷当日に宿直で会社に残ることになった。合法的に?行かなくて済むと知った時は、思わずバンザイ三唱した。
信じがたいことだが、この世の中には、社員みんなが楽しみにしている社員旅行もあるという(以下、日経ビジネス電子版より抜粋)。
長野県伊那市の寒天メーカー、伊那食品工業では、国内と海外、毎年交互に社員旅行に行っている。
まず社員にアンケートを取り、会社がいくつか行き先を決める。いろいろな行き先の中から、社員が各自行きたいところを選び、班ごとに出発。
社員旅行のルールは、国内の場合も海外の場合も1つだけ。1回だけ班の全員が集まって食事をする。あとは全部自由行動。
でも意外にみんな集まって行動する。自分で選んでそうしているから、つらくない。
行き先ごとに作った15ほどの班には、さまざまな部署の社員が集まる。各班のメンバーは事前に集まってどこに行くのか、どのように行くのかなどを話し合う。言ってみれば部門横断のプロジェクトのようなもの。
社員が楽しんで参加し、他の部署の社員とも交流を深めることができる。
遊びに行っているのだから工場見学をする必要はないのだが、自分たちで見学先を探してきて勉強するケースも。
…確かに。こういう社員旅行なら、ぜひ参加したい!
ちなみにこの伊那食品工業は、48年連続増収増益の超優良企業。
天下のトヨタも見学に訪れるそうだ。