北海道に住む大学の先生ご一家から、「投資を教えに来て欲しい。飛行機代とホテル代は出します」というオファーを頂いた。
無免許ファイナンシャル・アドバイザー(FA)、ついに海を渡る!
しばし感慨に浸った。
でも待てよ。
「iDeCoなどの非課税制度を使って、世界の株式に分散投資するインデックス投信を、給料天引きで毎月買い続ければ、10年後(または20年後、もしくは30年後)には、FIREやデジタルノマドになれる、かも知れません…」
私が言えるのは、それだけ。
いくらなんでも、これじゃ詐欺かもなー
ネット証券に口座を開けば、いまや世界中の株がスマホで簡単に買える。でも私が海外投資を始めたのは、橋本龍太郎首相が金融ビッグバンを始めた頃。今みたいに便利なツールはなかった。
「ゴミ投資家のためのビッグバン入門」(海外投資を楽しむ会編著)をバイブルに、英語を勉強して、手探りで海外市場にアクセスしていった。
その頃東京で出会ったFAが、若いオーストラリア人のクラーク。数年後にイギリス人のデービッドに担当を引き継がれたと思ったら、そのうち彼らはオフィスごと、香港に去っていった。
シティバンクのリテール部門も同じ時期に、日本から撤退している。日本市場は儲からないと判断すれば、外資系金融は逃げ足が速い。
彼らが所属するオフィスはその後、オーストラリア、次いでイギリスの会社と合併した。紆余曲折の末、今の私の担当FAは、モーリシャス在住の南アフリカ人、ショーンだ。
モーリシャスってどこ?アフリカ東岸に浮かぶ島国で、セレブ御用達のビーチリゾートらしい。日本との距離は10,531キロ、ドバイ経由で17時間かかる。
20年前は芝公園で会えた人たちが、いまや1万キロの彼方に。
日本経済の凋落とも、何やら関係がありそう。
もうあまり質問事項もないのだが、ヒマな時にショーンとズームで話した。モーリシャスもコロナ禍で、ほぼ在宅勤務だという。なかなか豪華な家に住んでいるが、もしかしたらバーチャル背景?
ロシアのウクライナ侵攻で揺れるマーケットを解説していたショーンが、突然カメラをオフにした。再び姿を現すと、両手で拝むポーズ。
「ゴメンナサイ! 朝から大嵐で、子どもの保育園が休みになっちゃって」
4歳になる愛娘が、乱入してきたらしい。
在宅リモート会議の、あるある。
Tateshina Japan, March 2022 |
0 件のコメント:
コメントを投稿