八ヶ岳中腹のわが家は、朝の気温が時々、マイナス10度を下回る。
全国の気温と比べると、たいてい旭川より暖かいが、札幌よりは寒い。
夜通し雪が降った、その翌日。
キャタピラのきしむ音とともに、除雪車がやってきた。
両側に雪の壁を作りながら、道に積もった雪を、まっ平らにしていく。
救世主よ! やっとこれで、街に出られる。
雪に埋まった愛車を掘り起こし、そろそろと山道を下る。しばらく走って、やっと乾いた国道に出た。安心してアクセルを踏み、スピードを上げる。
しばらくすると、床下から、コツコツという音が聞こえてきた。
やがてガタガタゴトゴト、ものすごい音量に…
「こ、この音、何でしょう?」
慌てて駆け込んだディーラー。白いつなぎの整備士さんは、顔色ひとつ変えない。「寒いところを走って来ましたよね」と言いながら、車をリフトに乗せ、頭上高く持ち上げた。
車底と排気管のすき間に、子どもの頭ぐらいある、大きな氷が挟まっていた。
その3日後。
年越し用の食料と、灯油54リットルをクルマに乗せて、帰宅した。
冷え切った室内に入り、水道の蛇口をひねる。
…出ない。
キッチンも洗面所も、風呂場もダメ。トイレも流れない。
マイナス15度まで冷え込んだ去年の正月も、水が出なくなった。自宅裏にある水道管が、凍結したのが原因だった。
細工は流流。この時のために、ちゃんと水を溜めてある。それをキッチンで沸かして、水道管にぶっかけた。
ジャ~、ジャ~
1回、2回、3回…
ダメだ、溶けない。水を使い果たした。日が暮れた。
万策尽きて、管理会社に電話する。駆けつけてくれたスタッフが、いかにもプロっぽい電気式温風機を、水道管に当てる。待つことしばし。
洗面所の蛇口から、勢いよく水が出始めた。
原因は凍結防止ヒーターの不具合で、修理は年明けになるという。
「蛇口の水を出しっぱなしにしておいて下さい。また凍りますよ」
明けましておめでとうございます。
プロの方々に助けられながら、なんとか暮らしてます。
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