2022年1月1日

寒冷地ビギナーの年越し

 

 八ヶ岳中腹のわが家は、朝の気温が時々、マイナス10度を下回る。

全国の気温と比べると、たいてい旭川より暖かいが、札幌よりは寒い。

 

夜通し雪が降った、その翌日。

キャタピラのきしむ音とともに、除雪車がやってきた。

 両側に雪の壁を作りながら、道に積もった雪を、まっ平らにしていく。

救世主よ! やっとこれで、街に出られる。

雪に埋まった愛車を掘り起こし、そろそろと山道を下る。しばらく走って、やっと乾いた国道に出た。安心してアクセルを踏み、スピードを上げる。

しばらくすると、床下から、コツコツという音が聞こえてきた。

 やがてガタガタゴトゴト、ものすごい音量に…

「こ、この音、何でしょう?」

 慌てて駆け込んだディーラー。白いつなぎの整備士さんは、顔色ひとつ変えない。「寒いところを走って来ましたよね」と言いながら、車をリフトに乗せ、頭上高く持ち上げた。

 車底と排気管のすき間に、子どもの頭ぐらいある、大きな氷が挟まっていた。

 

 その3日後。

年越し用の食料と、灯油54リットルをクルマに乗せて、帰宅した。

 冷え切った室内に入り、水道の蛇口をひねる。

…出ない。

キッチンも洗面所も、風呂場もダメ。トイレも流れない。

マイナス15度まで冷え込んだ去年の正月も、水が出なくなった。自宅裏にある水道管が、凍結したのが原因だった。

細工は流流。この時のために、ちゃんと水を溜めてある。それをキッチンで沸かして、水道管にぶっかけた。

ジャ~、ジャ~

1回、2回、3回…

ダメだ、溶けない。水を使い果たした。日が暮れた。

万策尽きて、管理会社に電話する。駆けつけてくれたスタッフが、いかにもプロっぽい電気式温風機を、水道管に当てる。待つことしばし。

洗面所の蛇口から、勢いよく水が出始めた。

原因は凍結防止ヒーターの不具合で、修理は年明けになるという。

「蛇口の水を出しっぱなしにしておいて下さい。また凍りますよ」

 

明けましておめでとうございます。

プロの方々に助けられながら、なんとか暮らしてます。



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