新たな一歩を踏み出すためには、何かを「やめる」ことが大切。
時間は有限だから、何かをやめないとすき間ができない。
そして有効なのは、やめるタイミングをできるだけ早くすることだ。
経営学者の楠木健(一橋ビジネススクール教授)は、前書きを読んで面白くなかった本は、必ずそこで読むのをやめるという。
はやっ!
日本マイクロソフトを退職して「『やめる』という選択」を書いた澤円氏と楠木氏が、日経ビジネス電子版で対談した。楠木氏のことばをいくつか、ここにピックアップしておきます。
・やめることは、決してネガティブなことではない。「何かをやるということは、何かができない」ということ。だから、「何をやめるか」ということは、戦略的な意思決定だ
・順番としては、「何かをやめないと、何かができない」。起点にはいつも「何をやめるか」という選択がある
・やめるという選択が「良いことと悪いことからの選択」であれば、良いことを選べばいいのだから、誰でもできる。でも本当の選択というのは、「良いことと良いことからの選択」。そこには、センスが必要になってくる
・「それをしない」と選択することは、実は相当強い意思決定。放っておくと、「あれもやれ、これもやれ」というフィードバックがかかってくる。「やめる」ということには、最高の能動性、主体性が求められている
・計画を立てることも、やめたらいい。物事において、計画を立てすぎてしまうと、偶然性に対する間口が狭まってしまう。計画を立てるほど「いつか」は増えていくけど、「まさか」が減ってしまう
さすが、ビジネススクールの先生はいいこと言うよね。
でも…
田舎でシンプルに暮らしていると、都会生活ほどTo Do リストが溜まらない。何かをやめないと時間のすき間ができない、なんてことには、ならない。
逆に、どうやって時間をつぶそうか、と思案する日がある。
だから、前書きを読んで面白くない本も、半分読んでみだけど依然として面白くない本も、根性で最後まで読み通す。お金がもったいないし。
楠木先生によると、私みたいに「せっかく買ったんだから」といって時間を浪費する人間を、「人生に埋没費用(=サンクコスト Sunk cost)を抱えている人」、と呼ぶそうだ。
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