2021年7月16日

キセキレイは粗忽者

 

 朝、自然学校に出勤すると、バルコニーに鳥の巣が。

 それも、お客さん用ドリンクが入った冷蔵庫のすぐ隣に…

 中を覗けば、小さな卵が5つ収まっている。

この大胆不敵、かつ傍若無人な輩は、いったい誰だろう。

鳥の種類で私がわかるのは、ハト、カラス、ニワトリ(=焼き鳥)ぐらい。「よくそれで自然学校職員が務まるね」と言われそうだが、それは採用する側の責任。

先輩スタッフに聞くと、キセキレイという鳥の巣だそうだ。

 

さっきから、しっぽが長くて黄色い小さな鳥が、地面を走り回りながら、こちらを伺っている。

母キセキレイだ。

我々スタッフが室内に引っ込むと、すかさず巣に戻って、一生懸命タマゴを温め始めた。スマホで調べたら、キセキレイはとても警戒心が強いとある。

ではなぜ、バルコニーのテーブルの上に巣を…?


人の往来があった方がかえって安全、とツバメ並みの知性を働かせた? でもここは、普段はほとんど人けがなく、逆にオリエンテーリングがある日だけ、200人もの小中学生が集まって、ものすごい騒ぎになる。

この母キセキレイは、大胆不敵というより、かなりのおっちょこちょいだ。

それでも彼女は、我々人間の隙を縫って卵を温め続けた。そして先日、ついに5羽の雛がかえった。見上げた根性だ。

あとは、ひたすら巣立ちの日を待つのみ。

 

キセキレイ。

ひとつ、焼き鳥以外のトリを覚えたぞ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

否定しない がんばれと言わない

  生活保護世帯の小中学生を教えていた数年前、その塾の 講師仲間は、学校の先生だった人が多かった。 「そんなやり方じゃダメ!」 子どもと接する時、彼らがまず「否定」から入るのが、とても気になった。 いま働いている自然学校でも、小中学生を引率する先生たちから「ダメ」とい...