2021年4月16日

コロナ禍は、キャリアの踊り場

 

   ほぼ毎朝、オンラインで受けている英会話の授業。

 最近は、講師リストに新任の先生がたくさん入ってくる。

 コロナ禍の中で自らを見つめ直し、英語講師をキャリアの踊り場にして、次のステージに飛び立とうとしている人たちだ。

 

 以下、初対面の先生たちとの会話から。

「子どもの頃から生きものが大好きで、傷ついた動物たちを治してあげたくて獣医学部に進んだんだ。でも、最初の就職先が養鶏場。いずれ食肉になるニワトリ相手に10年働いたけど、違う世界が見たくなって去年辞めたよ。きょうだいが教師をしているので、自分も英語講師になってみた。この仕事も好きだけど、これから必要な研修を受けて、今度こそ身近な動物たちの病気やケガを治したい」(ベン先生・34歳男性)

「農学者として、農家を回って土壌改善の指導をしていましたが、うつ病で退職しました。今年結婚して、コロナが怖いのでステイホームで家事ばかりしていたら、病気が悪化。主治医を変えても改善しませんでした。でも英会話講師を始めたら、とたんに夜眠れるようになった。医者も驚いていましたよ。人との会話が、私の心にいい影響を与えてくれています」(メイアン先生・29歳女性)

「ずっとミニコミ誌のライターをしてたんだけど、本当はForensic Chemist (法化学者・犯罪化学者)になりたかったんだ。すでに必要な学位を取って、今は英語講師をしながら職の空きを待っているところ。遺体に接するのは大丈夫かって? まだ経験がないから何とも言えないけど…。私がこの仕事を志したのは、正義のため。この国は、真犯人を特定するための科学的な捜査法がとても遅れているよ」(ダル先生・33歳女性)

「ホテルで13年働き、最近までエグゼクティブフロアのマネージャーでした。4年前、すぐ近くの別のホテルで乱射事件があり、30人以上が殺されました。そこはカジノホテルで、犯人は賭けに負けた客。カジノホテルはアブナイ人が多い。本当に怖かったです。このコロナ禍では、私のホテルが無症状患者の収容先に。自分が感染して3歳の我が子に移すのが怖くて、仕事を辞めました。でもコロナが収まったら、やっぱり今までの経験を生かせるホテル業界に戻りたい」(レヴィ先生・30代女性)

※先生は全員、フィリピンに暮らすフィリピン人です

Matsumoto, Japan






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