2019年4月13日

ギグ・エコノミー


 フリーランス5年目に入った。

会社に雇われず、持ち家も車もないというこの状態、まるで浮き草だが、心地よい浮遊感がある。

「ギグ・エコノミー」ダイアン・マルケイ著 日経BP

 ギグ・エコノミーとは、派遣労働やフリーランス、自営業など、「終身雇用と無職の間の様々な労働形態」だという。どうやら、今の自分の状態も含まれている。以下は本の中で個人的に気になった部分。

Uberのドライバーには残業代や最低賃金がなく、福利厚生や失業保険もない。ではなぜ、タクシーでなくUberで働くドライバーがたくさんいるのか? 働く時間と量を自分で管理できるから

・重役秘書や経理担当者など、これまで正社員が担ってきた仕事も業務委託になってきた。新聞社もフルタイム従業員を大きく減らし、フリーランサーへの執筆業務委託を増やしている

・大学はすでに講座単位で多くの非常勤講師を雇っているが、この教育モデルはやがて小中学校にも導入される

・このように「ジョブ」という型から「ワーク」という中身を取り出すことで、私たち労働者は、会社勤めで得られる以上の自律性、柔軟性、選択権を得られる

・アメリカを代表する大企業群であるS&P500社の平均寿命は、今や15年。こんなに短くては、キャリアを築く暇もない。私たちは、いやでもギグ・エコノミーに移行せざるを得ない

・ギグ・エコノミーでは、人は新しい仕事の可能性を探しながら、環境を常に変化させていく。収入は山あり谷あり。その変動を乗り越えるには、固定費を抑える必要がある。借金は絶対に避けるべき

・家や車のローンは、家庭の支出の半分を占める。人々から柔軟性と選択権を奪い、転職や転居、起業、休暇の可能性を狭めている。所有からアクセス(レンタル)へ、考え方を変えなければならない

・会社とマイホームの間を往復する伝統的な生活から、通勤手段、職場、住環境、現状に囚われない生活に移行する

・新しい成功の形も、持ち家の広さや車の大きさ、預金の多さより、経験・人間関係・個人的充足感に重きを置くようになる

・モノとサービスをレンタルする機会が都市部に偏っているので、今後、都市と郊外の相対的な生活費の差は逆転する

・学位・肩書・ブランドといった資格重視の経済から、具体的な知識や経験に価値を置くスキル重視の経済へ



 読んでいて、まるで自分のことじゃないか!と思う点も多い。ひょっとして、時代の先端を行ってるのでは? でも、自分に一番ふさわしい呼び名は、たぶん「フリーター」だ。






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