ハワイの銀行は、ウクレレの音色のように大らかだ。
アメリカ本土の銀行と違い、日本人旅行者も優しく受け入れてくれる。
去年、ドル口座を開くためにハワイに向かった。
ワイキキビーチにほど近い銀行を訪ねると、のんびりしたハワイ時間が流れている。手続きに1時間以上かかって、無事に口座を持つことができた。
美しい絵柄のデビット機能付キャッシュカードは、日本のコンビニでも使える。おにぎり一つ買ってカードを差し出すたびに、ハワイの青い空と海を思い出す。
そしてなんと、専属の担当者が付いた。私の担当はペギー嬢だ。
「ハイ、ペギー。最近私のカードが使えないんだけど・・・」
先日メールを送ると、長期休暇中かな?とあきらめた頃に返事が来た。
「最後にカードを使ったスターバックスジャパンが、カードをブロックしたようです。ごめんなさい、再び使えるようにしました。ペギー」
カフェラテ1杯の代金を引き落とせなかっただけで、人のカードを勝手にブロックするスタバっていったい・・・神に誓って、残高不足ではない。
でも銀行に専属の担当者がいて、問題を解決してくれる。まるで大富豪になった気分。たった147ドルしか預金してないのに。
ところが。
ハワイから戻ってネット検索していたら、ペギーさんの銀行よりさらに使い勝手がいい銀行を見つけてしまった。
たとえば日本のコンビニATMで預金を引き出す際、「ペギー銀行」では1回5ドル+3%の手数料がかかるが、その銀行では一定の預金残高さえ維持すれば、手数料が免除されるのだ。この差は大きい。
ペギーさんごめんなさい。浮気します。
ビーチにもショッピングにもグルメにも興味のない人間が、再びハワイに飛んだ。
早朝にホノルル空港に着き、その足でお目当ての銀行へ。
ところが応対に出た行員は、私がゴミ預金者に見えたのか(事実だが)、最初から上から目線。口座開設の手続きを終えると、名も名乗らずに「あとは自分でバンキングセンターに電話してください」。取り付く島もない。
でも一歩外に出れば、ここはハワイ。ヤシ並木を心地よい風が吹き渡る。
将来もし、日本国債がデフォルトするような事になれば、ドルを持つ人は宝くじに当たったようなもの。ハワイ観光のついでに、銀行口座のひとつ持って損はない。
わざわざ銀行のために2度行く人も、めったにいないと思うが・・・
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