日経ビジネスで「どこにある?ベストな人生」という特集をしていた。
とても面白かったので、要約して紹介します。
・国連の「世界幸福度ランキング」の1位はフィンランド。2位ノルウェー、3位デンマーク。日本は54位で、G7の最下位。世界第3の経済大国でありながら、人々の幸福度はニカラグアやルーマニアより低い
・その原因は仕事。日本の労働者の58%が、仕事に強いストレスを感じている
・そして、住宅ローンや子どもの教育費のため、簡単には今の仕事をやめられない。仕事や私生活での自己決定権の低さこそ、日本人の幸福度が低い原因
・解決策のひとつに「“好き”を仕事にする」がある。でも、自分が好きな仕事が、市場で高く評価されるとは限らない
例えばバイク便ライダーは、ケガすれば収入ゼロ。子どもが好きで小中学校の教員になった人は、平均週54時間働き、熱心な人ほど心身を壊している
・最強の解決策が「経済的独立」。アーリーリタイアを目指せる職業は、外資系投資銀行、外資系コンサルティング会社、M&A仲介会社など
38歳でゴールドマン・サックスを辞め、現在ハワイの別荘と日本を行き来しながら暮らすS氏(51)は、かつて朝6時に出社し、毎晩6時間の接待をこなしていた。彼らの共通項は「高収入」「激務」そして「狭き門」。
・反対に、多くの人に参考になるのが文具メーカー「日本理科学工業」の例
同社が仕方なく雇った2人の障害者。始業1時間前に会社の玄関に来て、仕事が始まれば絶対に手を休めない。どうしたらこんなに一生懸命になれるのかと思うほど、幸せそうな顔で働いた。その存在が会社全体の空気を変えた
それでも障害者は工場で働くより、施設でのんびり暮らした方が幸せなのでは?という社長の疑問に、禅寺の住職が次のように答えた
人間の究極の幸せは、①愛されること②ほめられること③役立つこと④必要とされること。施設や家庭でできるのは①だけで、②~④は働くことでしか得られない。これは障害者に限らない普遍的なもの
・従って、②~④を感じられる環境で働くのが、普通の人にできる究極の幸せ原則。そしてそれは、ダイバーシティが進んだ組織でこそ得られる
自分の属性を棚に上げて言えば、私も「日本人・中高年・男」が大多数を占める同質的な組織で窒息してしまった。女性やLGBT、外国人、障害者など、価値観が全く違う人の隣で働けば、もう少し会社員を続けられたかも知れない。
そして「人間の主観的な幸福度を最も左右するのは自己決定権」という言葉は本当だ。明日や来月や来年の予定を、他人でなく自分が決められるのは、毎月の給料と引き換えにしてもお釣りがくる、とても幸せなことだ。
Dalat, Vietnam
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