1800メートルの山中で、都会っ子が3泊4日のサマーキャンプ。
山登りと秘密基地作り、木登りにオリエンテーリングもやる。夜は寝袋でテントに泊まる。どんな様子なのか、見ているだけで楽しそう。
スタッフが足りないと聞いて、手伝いに行った。
先回りして森で待つ。やがて、新宿発の大型バスが上がってきた。都会の熱気と一緒に、40人の小学生が降り立つ。私の班の半分は、小さな1年生。
男の子はさっそく、虫取り網を振り回してトンボを捕っている。カミキリムシやバッタも素手で捕まえて、見せに来る。都会っ子もなかなかやるね。
隣では女子が、「この辺ぜったいマダニがいる!」と大騒ぎ。防虫スプレーを全身にかけている。ついでに私の腕にも満遍なくかける。
ハチが飛んできた。「これはオスだから刺さないよ」と誰かが言い、みんな平然としている。ホントかな? もっと怖がったほうがいいよ。
お昼ごはんは、流しそうめん。背の順に並んだ後ろ姿がかわいい。いちばん下流は1年生。モモちゃん上手にお箸を使えず、そうめんをつかめない。歓声を上げる上級生の陰で、涙をボロボロこぼしている。
見守る成人スタッフは、医学部5回生、就職浪人中の女子、山岳写真家、大学教授など多士済々。山と子どもが好きな人ばかりで、初対面でも連帯感があった。
プログラムの圧巻は木登りだ。ただの木登りではない。ヘルメットをかぶり、安全ベルトとロープで確保されながら、カラマツの大木を登る。小さな背中がどんどん小さくなり、枝葉の向こうに消えていく。
こわいこわいと悲鳴を上げながら、てっぺんまで10数メートルを登り切ったキョウカちゃん。「がんばったね、大変だったね」と声をかけると、
「うん。でもいちばん大変なのはスタッフさんたち」
まさか小学生に、こんな言葉をかけてもらうとは。
みんな興奮するのか、あちこちで鼻血を出す。大人はポケットティッシュが手放せない。
そして夕食はバーベキュー。薪を拾い、火起こしも自分たちで。
「マッチ点けたことある人、手を上げて!」「はい!はい!」「ユーキ君、もうタバコ吸うんだ~」「違うよ!理科の実験で習ったんだもん」
うまくマッチに火が着くと、珍しそうに炎を眺めている。軍手が燃え始めてもも、まだ眺めている。ホットプレート世代の小さな人たち。
夜は、クルマで10分の森の自宅に帰る。翌朝迎えに行くと、1年生が走って抱きついてきた。
「ぼくのパパとママ、2人で旅行に行ってるんだ」「カイ君のご両親、ラブラブだね!」
子どもを大自然に遊ばせつつ、親にはまた別の思惑もある・・・みたい。
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