2018年8月4日

サマーキャンプの子どもたち


 1800メートルの山中で、都会っ子が3泊4日のサマーキャンプ。

山登りと秘密基地作り、木登りにオリエンテーリングもやる。夜は寝袋でテントに泊まる。どんな様子なのか、見ているだけで楽しそう。

スタッフが足りないと聞いて、手伝いに行った。



先回りして森で待つ。やがて、新宿発の大型バスが上がってきた。都会の熱気と一緒に、40人の小学生が降り立つ。私の班の半分は、小さな1年生。

男の子はさっそく、虫取り網を振り回してトンボを捕っている。カミキリムシやバッタも素手で捕まえて、見せに来る。都会っ子もなかなかやるね。

 隣では女子が、「この辺ぜったいマダニがいる!」と大騒ぎ。防虫スプレーを全身にかけている。ついでに私の腕にも満遍なくかける。

 ハチが飛んできた。「これはオスだから刺さないよ」と誰かが言い、みんな平然としている。ホントかな? もっと怖がったほうがいいよ。

 お昼ごはんは、流しそうめん。背の順に並んだ後ろ姿がかわいい。いちばん下流は1年生。モモちゃん上手にお箸を使えず、そうめんをつかめない。歓声を上げる上級生の陰で、涙をボロボロこぼしている。

見守る成人スタッフは、医学部5回生、就職浪人中の女子、山岳写真家、大学教授など多士済々。山と子どもが好きな人ばかりで、初対面でも連帯感があった。

 プログラムの圧巻は木登りだ。ただの木登りではない。ヘルメットをかぶり、安全ベルトとロープで確保されながら、カラマツの大木を登る。小さな背中がどんどん小さくなり、枝葉の向こうに消えていく。

 こわいこわいと悲鳴を上げながら、てっぺんまで10数メートルを登り切ったキョウカちゃん。「がんばったね、大変だったね」と声をかけると、

「うん。でもいちばん大変なのはスタッフさんたち」

 まさか小学生に、こんな言葉をかけてもらうとは。

 みんな興奮するのか、あちこちで鼻血を出す。大人はポケットティッシュが手放せない。

そして夕食はバーベキュー。薪を拾い、火起こしも自分たちで。

「マッチ点けたことある人、手を上げて!」「はい!はい!」「ユーキ君、もうタバコ吸うんだ~」「違うよ!理科の実験で習ったんだもん」

 うまくマッチに火が着くと、珍しそうに炎を眺めている。軍手が燃え始めてもも、まだ眺めている。ホットプレート世代の小さな人たち。

 夜は、クルマで10分の森の自宅に帰る。翌朝迎えに行くと、1年生が走って抱きついてきた。

「ぼくのパパとママ、2人で旅行に行ってるんだ」「カイ君のご両親、ラブラブだね!」

 子どもを大自然に遊ばせつつ、親にはまた別の思惑もある・・・みたい。


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