古代インド人は、人生を4つに分けて考えたという。
学生期・・・学び、備える時期
家住期・・・家庭を築き、仕事に励む時期
林住期・・・森に庵を構えて、瞑想する時期
遊行期・・・家を出て、思うままに遊行する時期
それぞれに25年を充て、最後の遊行期で死を待ったらしい。
もし、この「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」を、1年で回したらどうなるだろう。
充実した日々を送れそう。
そう思って、実は3年前から実験を始めた。
春と秋は関東で学生期&家住期。冬は東南アジアで遊行期。
春と秋は関東で学生期&家住期。冬は東南アジアで遊行期。
そして、夏は林住期。
関東のはずれに借りたマンションから、森のボロ山荘に引っ越す。
期間限定の、にわか信州人だ。
猛暑の関東から100数十キロ。深山の朝は冷える。
だるまストーブに火を入れる。
野生のシカが庭を横切る。後には盛大なシカのフン。
樹間に陽が差しこむ頃に、クルマで出勤。
通勤路は、1800メートルの峠を越える雲上のドライブだ。
片道16キロの間に、信号はひとつだけ。目の前をキツネが横切る。
着いた先は、避暑客でにぎわう湖畔の宿。
客室係として、淡い青空を見上げながら布団を干す。
去年の夏、宿のオーナー夫妻に女の子が誕生した。
その子Yuraちゃんが、洗濯物の上に乗せられて廊下を行進する。
午後に帰宅し、バルコニーでボーッとする。
やがて日が暮れ、褐色の物体が、畳の上をザザザッと走って風呂場に消えた。
ヤマネ? ただのネズミ? 正体はわからない。
3度の食事は、地元の農家から買う高原野菜が中心。
3度の食事は、地元の農家から買う高原野菜が中心。
夜、外でホタルが青白い光を明滅させている。
この3年で初めて、蚊に刺された。
この高度まで蚊が上がってきたのは、地球温暖化のせい?
テレビはなく、インターネットもつながりにくい。
ここにいると、正気に戻れる気がする。やっぱり現代は、余計な情報が多すぎる。
でもまだ、古代インド人みたいに瞑想はできていない。
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